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2016年2月28日 23:00

SavVolとは何か?SavVolの容量が足りなくなると何が起きるのか?

製品:

VNXシリーズ、Celerraシリーズ

説明:

SnapSureというテクノロジーを利用してスナップショットを取得する際に必要なSavVolの説明と、SavVolの容量が足りなくなった(あふれた)際の動作に関する説明。

解決案:

SavVolとはファイルシステムに対するスナップショットを取得した後に、当該ファイルシステムに対する変更書き込みが行われようとしている「ブロック」が保存される領域です。

SavVolに保存されているブロックと、ファイルシステムに残っている情報(ブロック)を足し合わせることにより、ユーザはスナップショットを取得した時のファイルシステム全ての情報にアクセスすることが出来ます。

また、SavVolが足りなくなると、一番古いスナップショット用に保存しておいたブロックをSavVol領域から削除します(解放します)。

そのために、一番古いスナップショットを取得した時のファイルシステムの状態には戻せなくなります。

【参考】

スナップショットの動作に関してはスナップショットって一体何をしているの?【Ranboシリーズ】に説明があります。

【具体例を利用した詳細説明】

画面一番左には時間、その隣にファイルシステム(FS_1)、その隣にSnapshot、一番右にSavVolがあります。

12:00の時点でFS_1に対してSnapshot1(イエロー)の取得を行います。

12:30の時点でFS_1に新たな変更書き込みが行われました。すると、その変更によって通常であれば上書きされてしまい、消えてしまう情報(ブロック)がSavVol領域に保存されます。

同じようにして13:00にSnapshot2(ピンク)の取得、13:30にFS_1に変更書き込み、14:00にSnapshot3(ブルー)の取得、14:40にFS_1に変更書き込みがあったとします。

savvol1.png

その結果、上の図の一番右下にあるSavVolにはSnapshot1用(イエロー、ピンク、ブルー)、Snapshot2用(ピンク、ブルー)、Snapshot3用(ブルー)のブロックが保存されています。

これらSavVolに保存されているブロックと、FS_1に残っている情報(ブロック)を利用することにより、Snapshot1、2、3を取得した時点のファイルシステム全ての情報が復元できるのです。

少し難しいのですが、理論的に情報が復元できることを見ていきます。

savvol2.png

一番上の例は、Snapshot3を取得した時のFS_1の状態を復元したい場合です。FS_1の情報は12:00以降に変更書き込みが行われた部分(グレーの部分)が多数見えますが、SavVolにあるブルーのブロックを利用することにより、Snapshot3を取得した時のFS_1の状態に過不足なく戻せることが分かります。

同様に真ん中の例ではSavVolに保存されているピンクとブルー、一番下の例でもイエロー、ピンク、ブルーなどのブロックを元にSnapshot2やSnapshot1を取得した時のFS_1の状態に過不足なく戻せることが分かります。

ここからはSavVolが足りなくなった(あふれた)時の話です。これも今まで利用してきた例を使って説明します。

15:00にSnapshot4(グリーン)を取得した後、15:30になりFS_1に対してとても多くの変更書き込みが発生しました。

それら変更されたブロックをSavVolに保存しようとしたのですが、SavVolの容量が足りませんでした。

その場合には、仕様上一番古いSnapshot用に保存しているブロックをSavVolから削除します。今回の例ではSnapshot1(イエロー)のブロックです。(このSnapthot1(イエロー)のブロックが削除されることを、SavVolが「あふれた」と呼ぶことがあります)

savvol2.5.png

今回の例では一番古いSnapshotのブロックを削除したことによりSnapshot4(グリーン)のブロックは全てSavVolに保存することが出来たとします。しかしながら、Snapshot1(イエロー)のブロックがSavVolから削除されてしまっているので、Snapshot1を取得した状態のFS_1には戻すことが出来なくなってしまいました。

savvol3.png

上の図でいうと、イエローのブロックがSavVolからは削除されてしまっているので、Snapshot1の状態に戻そうとしても、FS_1に歯抜けの状態(黒い2つの四角)が発生してしまい、戻すことが出来なくなってしまっています。

このように元に戻せない=利用出来ないSnapshotのことをInactive Snapshotと呼びます。

ここまででSavVolの説明は終了なのですが、よく勘違いされることについて追加で説明をしておきます。

サポートをしていると、SavVolがあふれて過去のSnapshotにアクセスが出来なくなるInactive Snapshot状態を見ることがあります。

その中で、よく言われることが「Inactiveになったからといって、全てのデータが無くなるのはおかしい!復元出来ないファイルはあるが、復元できるファイルもあるはずだろう」ということです。

しかしながら、残念なことにInactiveになったSnapshotからはどのようなファイルも復元することは出来ません。その理由は、SavVolを利用したSnapshotはファイルを全く認識しないブロック単位で行っているためです。

前述のInactive Snapshotを見て頂くと、FS_1が歯抜けのようになってしまっています。

これは例えばですがハードディスクに物理的に2つ穴をあけてしまったようなものです。イメージ的にはDVDに2つ穴をあけてしまったことを考えると分かりやすいかもしれません。

このように穴があるディスクに保存されているファイルシステムは基本的にきちんと認識されません(穴があいたDVDがきちんと認識されないように)。すなわちInactiveになったSnapshotはファイルシステムとしてきちんと認識されないために、その中のどのようなファイルであっても取得することが出来なくなってしまうのです。

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