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2019118

Vice President, Global OEM and IoT Marketing, Dell EMC

イーサンウッド(Ethan Wood

 

原文:https://blog.dellemc.com/en-us/customers-say-oem-partnerships-are-driving-huge-value-digital-economy/

 

子どもは、常に「なぜ?どうして?」という質問を投げかけてきます。親として、しつけに対する「なぜ?」という理由以上の疑問へ常に的確に答えることは厳しい場合もありますが、正直なところ子どもたちにとって「なぜ?」を知ることは、世界を知る上での助けになります。「なぜ?」を明確に理解することは子どもの発達にとって大切ですが、私たちがビジネス上の意思決定と戦略を常に明確に把握しておくことも、これと同じくらい大切なことです。この製品(またはサービス)をあらためて提供開始した理由は?機能はわかっているけれども、どうしてこの新しいソリューションを提案する必要があるのか?事業計画を進める前に、十分な数の「なぜ?」を自問自答したか?などの質問が挙げられます。

 

いつまでも「どうして?」の疑問を持つということ

私自身3人の子を持つ親として、また少年の心を持っている大人として、「なぜ?」と問い続けています。そんな私が、マーケターとして昨年からずっと好奇心を煽られている大きな疑問があります。それは、「なぜOEM市場は、特にこの数年間、継続して急成長しているのか?」また、「なぜDell EMCOEMパートナーの売上がこれほどまでに急成長しているのか?」ということです。この点について、「それは素晴らしいマーケティングの効果である」と私が言いたいのと同じくらい、また「すべては優秀なセールスパーソンの力である」と営業部門が言いたいのと同じくらい、OEM関係に対する市場ニーズの高まりの背景にはさまざまな理由があることを、私たちは知っています。ここで私が言うOEMとは、外部から購入したテクノロジーを自社ソリューションに統合したり組み込んだりして、顧客へのマーケティングと再販を行っている企業を指します。

 

より多くのパートナーシップへのニーズが急速に高まっている市場に、Dell EMC OEMとしてサービスを提供することはもちろん大変嬉しいことですが、世界経済の改善やEMCとの統合、Dell Technologiesの誕生といった外部の貢献要因を分析したところ、お客様に多くのテクノロジーを提供することと同じくらい重要な成長要因が他にもあることがわかりました。なぜOEMパートナーシップが急増しているのか?これまでの20年間を振り返ってみて、なぜ今なのか?

 

好奇心はあらゆる知識の源泉

自社のビジネス上の課題や成功について疑問があるときは、常に顧客に尋ねることです ―― 「なぜ?」なのかを。

 

実際、当社のOEMビジネスの推進力となっているのもお客様からのフィードバックです ―― こちらをご覧ください。このため、私たちが何かを疑問に感じたときは、自然とお客様にその答えを見出そうとします。これを踏まえて当社がFuturum Research社に委託した調査が、「The OEM Partnership Survey」(OEMパートナーシップ調査)です。OEM型のビジネスモデルを展開している世界各国の企業からの1,000人を超える役職者からの声を集めたこの調査では、イノベーションを促進しながら迅速な市場展開を可能にし、競争価値を高める上で、OEMおよび外部とのパートナーシップがどのような力を発揮するのかを検証しています。

 

本日公開されたこの調査レポートは、非常に魅力的な読み物になっています。OEM市場におけるDell EMC自体の豊富な経験が検証・反映されているだけでなく、新鮮な知見も提供するこのレポートは、興味深いデータが満載の本当の意味で宝箱のような存在です。本日は、このレポートで明らかになった多くの事実の中からいくつかの重要なポイントと、これらのデータを実際にどのように活かせば良いのか、お客様のユースケースを紹介したいと思います。

 

パートナーシップがイノベーションの促進と売上アップを実現

大多数の回答者は、例えば売上アップやカスタマー エクスペリエンスの向上といった自社の重要な事業目標を達成する上で、OEMパートナーシップは「非常に重要」または「不可欠」であると答えています。例えば、イノベーションにおけるハードルを越える上で現在のOEMパートナーシップが役立っているとした回答者は88%以上、またOEMが製品/サービスイニシアチブをスピードアップしてくれたとした回答者は83%近くに上ります。結果として、全体の3分の2OEMパートナーシップのおかげでさまざまなアイデアを製品やサービスに変えて市場展開できるようになったと答えています。

 

市場展開に要する期間はかつてないほど重要

ユースケースの好例の1つとして、インドを拠点にするゲノムIT企業Bionivid社があります。同社は、Dell EMC OEMとのコラボレーションによって、開発コストを少なくとも半減させることができたと報告しています。ハードウェア プラットフォームの構築費用を避けることで、同社は最適な機会を最適なタイミングで手にし、他社に対する競争優位性を高めることができました。

同様に、米オハイオ州に本社を置き、防衛・航空宇宙、ATE(自動試験装置)およびCOTSCustom-of-the-shelf)市場向けの標準/カスタム電子ハードウェアシステムを提供しているTracewell Systems社は、Dell EMC OEMとのパートナーシップによって事業目標を実現しました。このパートナーシップを基盤にした統合、製造、グローバル サプライチェーン機能によって、同社は迅速なスケールアップおよび短時間での市場展開が可能になりました。

 

適切なテクノロジーを見つけることが何よりも重要

この調査において、回答者は適切なテクノロジーを見つけることが成功と失敗を分けるすべてであると考えており、81%OEMのおかげでAI(人工知能)やマルチクラウド、IoTといった新しいテクノロジーを実装できたと答えています。

事例紹介 - デジタル トランスフォーメーション

ここであるお客様の導入事例を通じて、特に新しいテクノロジーを導入する上で、パートナーシップが果たす大きな役割を説明したいと思います。Olivetti社は、1908年創立のイタリアの企業で、現在は Telecom Italia GroupIoT専門企業として、中小メーカー向けに製造機械と工場をスマート化するとともに製造業務の効果・効率アップを実現するIoTベースのプラグアンドプレイ ソリューションを提供しています。これを実現するため、同社はDell EMC OEM Solutions およびDell EMCIoTパートナーで Intel IoT Allianceのメンバー企業でもあるAlleantia社と協業しています。パートナーシップ関係を基盤に、3社共同で製造工程のデジタル トランスフォーメーションを推進し、インダストリー4.0 環境を実現するターンキー ソリューションを開発しました。

 

時は金なり

本調査の結果を踏まえ、私はテクノロジーそのものよりも時間の方がより価値が高い要素になっていると考えています。誤解のないように言っておくと、人類の進歩と発展における最大の促進要因はおそらく技術革新ということで間違いないでしょう。しかし、ほとんどの人には、どれほど頭が良くて高い能力を持っている人であっても、もはやカスタムメイドのスペシャリスト テクノロジーを構築する時間がありません。世界にはさまざまなテクノロジーがあふれており、すべてのエキスパートになることは不可能です。このような世界で成功するためには、自社のビジネスモデルを実現する上で最も理に適った形のコラボレーション環境を確立しなければなりません。

 

すべての業種において、企業がそれぞれのアイデアを現実化して市場へ展開するためにテクノロジーへの依存度がますます高くなっている中、どの企業も業務や製品/サービスの新しいイノベーションを促進しなければならないというプレッシャーを感じています。時間、経験、ノウハウが限られている中、適切なテクノロジーパートナーシップを結んだり深めたりすることは、企業にとって必須条件です。OEMパートナーが必要なテクノロジーを提供し、自社のソリューションを短時間で効率的に市場へ展開することをサポートしてくれるのに、わざわざ貴重な時間と資源を使って自社でテクノロジーを開発することに意味があるでしょうか?

 

OEM市場の成長はますます加速

多くの企業で時間的な制約が厳しくなる一方で利用できるテクノロジーは増えていく中、これに対応するパートナーシップ構築へのニーズはますます高まるでしょう。結果として、エコシステムとOEM関係の世界は、劇的に広がっていくと考えられます。

 

事実、今回の調査レポートにおける最もエキサイティングな予測の1つ、それは今後10年を通じてOEMパートナーシップには年平均成長率(CAGR2025%で増加するポテンシャルがあるということです。今回の調査回答者群の75%以上が今後1年から1年半でOEMパートナーシップの利用が増えるだろうと回答しており、25%以上がOEMパートナーシップの利用が劇的に増加するだろうと予測しています。

 

エキスパート vs. ルネサンス的(万能型)教養人

ここで1つ質問です。皆さんは、エキスパート(専門家)ですか?それともアダプター(変化への適応者)ですか?通常、社会では経験とノウハウに高い価値が置かれますが、私はもうエキスパートであることは最も重視すべき価値ではないと考えています。かわりに、変化への適応能力こそが今日のダイナミックな世界で最も重要な価値です。いま企業が多くの方法で取り組んでいるさまざまな課題は、現在の若年層が将来直面することになります。今の子どもたちは、それぞれの研究分野で専門性を獲得しながらも、長い人生の中でそのキャリアを何度も変えていく必要に迫られることになるでしょう。企業も同じアジリティを身に付ける必要がありますが、これを実現する手段の1つがパートナーシップです。

 

勝つか負けるか - 決めるのは自分!

私が皆さんに伝えたいキーポイント、それは今日の世界で生き残り、成功を収めるためには、多才・多用途性を備えた、ルネサンス的(万能型)教養人になる必要があるということです。ただし、注意点があります ―― ルネサンス的教養人であるかどうかに関係なく、私たちは未来を先取りしたツールを活用して、常に競争相手の一歩先を進み続けなければなりません。

 

今回の調査結果から、適切なパートナーシップを結ぶことが勝利と敗北の大きな差を生み出すことは明らかです。調査では、平均以上のレベルのOEMパートナーシップを確立した企業には、2025年までに売上アップとコスト削減を3545%の成長率で促進する機会があるという予測も示されています。

 

その一方で、新しいテクノロジーと顧客の進化を背景に、現在の競争状態に鑑みて今ビジネスを行っている企業の最大50%2025年までに消えるだろうという予測も出ています。ここで最も重要な問いかけは ―― 皆さんは自分の会社が7年後にどこにいると思いますか?それは「なぜ」ですか?

 

OEM市場について、皆さんはどのような見解を持っていますか? 意義ある知見があれば、ぜひ教えてください。皆さんのコメントや問い合わせをお待ちしています。

 

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Dell EMC OEM について: www.dellemc.com/oem

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Dell EMC, APJC & EMEA,

シニア バイス プレジデント & ジェネラル マネージャー コンサルティング リード

フレデリック ドゥサール(Frederic Dussart)

原文:https://infocus.dellemc.com/frederic_dussart/learning-from-experience-why-and-how-to-make-it-transformation-faster-and-easier/


ITトランスフォーメーションは、限られたプログラムやプロジェクトではなく、絶え間ない旅路です。

International Data GroupIDG)社は、「CIOs Reveal IT Transformation Priorities and Successes」のレポートの中で、「ビジネス トランスフォーメーションの進化発展を推進するエンジンとして、ITトランスフォーメーションは今後も継続的に続いていくでしょう」と述べています。

 

企業が競争力を維持していくためには、常に「次のレベル」のITアジリティとコンピテンスが求められることから、この旅路はこれからも続いていきます。例えば、今日のIT部門は自社が5GIoTAI(人工知能)、マシンラーニング(機械学習)といった最新テクノロジーのメリットをフルに活用できるようにするために進化しなければなりません。

 

トランスフォーメーションの変革

なぜなら、ITトランスフォーメーションは永遠に終わることのない旅路で、IT部門はすぐに入手できる成果だけでなく、トランスフォーメーションのプロセス自体の質を高める部分に目を向けなければならないからです。

 

何千ものITトランスフォーメーション プロジェクトにおける経験 ―― またDell EMC VMware10年近くにわたる数百のITトランスフォーメーション ワークショップで収集した匿名化顧客データに対するIDG社の分析 ―― から、ITトランスフォーメーションの成功にとって最大の障害は技術的な要素ではなく、プロセスおよび人に由来することが分かりました。例えば…

 

ワークショップ参加者の96%が、次の必要性を認識しています。
1. 自社のテクノロジーとプロジェクトにフォーカスしたITチーム
2.ビジネスに最適な、高品質のサービスの開発と提供にフォーカスしたエンド ツー エンドのサービスが提供できる組織へと進化させる必要性。
ただし、77%が、社内の各チームは依然として横の連携がないサイロ状態にあると述べています。

 

CIO(最高情報責任者)と話をすると、自分たちが直面している最大の課題は自社の変化のペースを加速させることであるといつも耳にします。特に大企業の場合、「いつもこのやり方でやってきた」というメンタリティ、また柔軟性に欠けるポリシーやドメインのサイロなどが蔓延している状況が、期待する結果を手にする上で欠かせないオペレーションのトランスフォーメーションの足を引っ張っています。これらの課題に直接取り組まなければ企業はどんどん後れをとり、技術的負債だけでなく将来の変化をいっそう困難にする「俊敏性の負債」のようなものが蓄積していくことになるでしょう。

 

苦労の末に学んだこと

企業が変化を加速させるとともに、変化を吸収する能力を高めることを可能にする、実証済みの方法があるという、明るい話もあります。ここでは、私が数千のITトランスフォーメーション プロジェクトでお客様と取り組んできた経験と、Dell EMC自体のITトランスフォーメーションの経験から学んだ知見をご紹介します。これらの知見は、データセンターのモダナイズ(最新鋭化)からアプリケーション ポートフォリオの最適化ITサービスの提供DevOpsを含め、すべてのタイプのITトランスフォーメーションにあてはまります。

 

  • レッスン1ITトランスフォーメーションは常に多次元的であるということまた、複数の領域と作業チーム間で同期を取りながらすべてを同時に推進しなければならないということ。
  • レッスン2: すべての作業チーム、プロジェクト、プログラムには、ビジョン、モチベーション、スキル、また組織的な規範を超えて広げることができる権限を持った「変化の仲介者」が必要であるということ。

 

これらのレッスンを実際に適用することは簡単ではありませんが、いずれも必要不可欠なものです。どちらのレッスンについても、成功するかどうかはすべての人、プロセス、テクノロジーのピースを識別、理解して、管理統制する「メタ」能力にかかっています。

 

同期の取れた変化

複数の領域と作業チームを通じて変化を同時に推進することは基本です。これは、逐次的な変化では変化のペースへ追いつくには遅すぎるという理由だけでなく、変化というものは時計の歯車のように本来相互依存の関係にあり、結果を出すためにはすべての同期が取れていなければならないからです。例えば、新しいハードウェアやソフトウェアを導入しても、ITの運用モデルが変わらない限りユーザーのサービス エクスペリエンスは改善しないでしょう。また、アプリケーションを古いプラットフォーム上で動かしても、会社が価値を見出すことはないでしょう。

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もちろん言うは易し行うは難しで、実際には複数の異なるワークストリーム全体を通じた変化へのニーズとそのインパクトに対する総体的な理解、詳細で反復的なプランニングと複数のチームによる同意、また同期を維持しながら前進させていくための強力なガバナンスが必要です。

 

旧来のメンタリティからの脱却

長い間連携のないサイロ環境の中で、スピード感に欠ける「トップダウン」式のプロジェクト管理を行ってきた企業の場合、既存の領域間で変化を同期して推進するスキルを社内で見つけることは難しい場合があります。既存のリーダーが、現在物事が回っている方法を「知りすぎて」いるために変化を効果的に実行できないということも珍しくありません。このような理由から、あらゆるタイプのITトランスフォーメーションを通じて、プログラム レベルだけでなく作業チーム レベルにおいても、前述した変化の仲介者を特定してエンパワメントすることが最も重要な成功要因の1つであることが実証されています。変化の仲介者は社外から迎え入れることも、社内のチームから選出することもできます。ここで最も重要なことは、企業に必要な変化をフルスケールで推進するための確固とした姿勢、心構え、能力と、経営陣からの支援です。

 

見過ごされ、過小評価されていること

多くのIT部門では、ITトランスフォーメーションの成功における総体的で同期の取れたアプローチと俊敏な変化のリーダーシップの重要性が相変わらず見過ごされ、過小評価されています。このような例は挙げればきりがありませんが、その一例を紹介しましょう。

 

少し前の話ですが、私たちは、豪州のある大手小売企業の大規模なITトランスフォーメーション イニシアチブを始めました。その際、イニシアチブの支持者である役員が、PMO(プログラム マネジメント オフィス)の必要性に疑問を呈してきました。この役員にとって、「必要なものは技術的な知識と経験のみ」というわけです。幸運なことに、私たちは堅牢なPMOがトランスフォーメーションとは切っても切れない関係にあり、求める成果を手にするためには欠かせないということを示すことができました。

 

それから半年が経過して多くのプロジェクト マイルストーンを達成した今、PMOの価値に対するこの役員の考え方は180度変わりました。プログラムを順調に進め、さまざまな期待に応えていくだけでなく、このPMOは社内各チームのコンピテンスを高めました。これによって技術分野の作業チームを社内で手配することが可能になりました。現在、同社はDell EMC主導のPMOを今の状態で長期にわたって維持し、これからも全作業チームにわたり変化を推進、同期、管理統制していきたいと考えています。

 

Dell EMCも絶え間ないトランスフォーメーションを推進

これまでに協業してきたIT部門と同じように、Dell EMC Consultingは、これからもDell EMC自体の終わりのないトランスフォーメーションの旅路を歩んでいきます。ビジネスの優位性を確保するため、新規のテクノロジーを活用する能力を高める手段を企業が求める中で、私たちはプログラム管理、豊富なコンサルティング経験とノウハウ、繰り返し適用できるメソドロジーとツールのすべてを提供する統一ポイントに投資することで、デル テクノロジーズ(Dell、Dell EMC、Pivotal、RSA、Secureworks、Virtustream, VMware)および広範なパートナー エコシステムが提供するさまざまなテクノロジーとサービスのさらなる統合と提供環境の簡素化を進めて参ります。

当資料は、デル テクノロジーズが、2019年のIT業界に影響を与える大きなトレンド、変化、課題に対する予測をまとめたブログの抄訳版です。

https://www.delltechnologies.com/en-us/perspectives/2019predictions/

 

デル テクノロジーズ バイスチェアマン プロダクト&オペレーション 

ジェフ クラーク(Jeff Clarke)

 

 

2019: データ主導デジタル エコシステムの年

 

今年もやってきました ―― 地球が太陽を一周し、2018年も終わりに近づいた今、2019年に目を向けて、何が待ち受けているのかを考えてみましょう。2030年へと続く、次のイノベーションの10年が近づいています ―― デル テクノロジーズは、2030年には人とマシンの協調関係は次の時代を迎えると予測しており、その時代には、人間はスマートな生活、インテリジェントな仕事、摩擦のない経済が実現していると予測しています。

 

デル テクノロジーズが昨年行った大胆な予測は、早いペースで花を開かせているものもあれば、そうでないものもあります。AI(人工知能)およびマシンラーニング(機械学習)テクノロジーの発展のためには、まだなすべきことが多くあります。また自律システムは、企業や組織がこれをサポートするデジタル環境を構築している中で引き続き具体化しつつあります。

2019年には、何が待ち受けているのでしょうか。データ主導のデジタル エコシステムへと進んでいく中、2019年に対するデル テクノロジーズの重要な予測は次の通りです。

 

 

1. ライフスタイルおよびビジネスシーンの両方で、かつてないほどの没入体験が実現

バーチャル アシスタント(VA)は、スマートホーム テクノロジー、「モノ」やコネクテッドカーといったコンシューマー テクノロジーの分野で引き続き広がりを見せ、ユーザーの好みを学習し、それまでのユーザーの行動に基づいてコンテンツや情報を先回りして提供するでしょう。住宅環境において、このマシン インテリジェンスはVR(仮想現実)およびAR(拡張現実)と統合し、例えば家族のための簡単な食事を手早く準備することをサポートするバーチャルシェフなど、夢のような体験を提供するでしょう。また、今以上にインテリジェントな健康管理デバイスが心拍の変動(HRV)や睡眠パターンなどの多くの情報を取り込み、医療従事者と手軽に共有するなど、個人の健康状態に関するコネクテッド環境がさらに進むでしょう。

 

没入的インテリジェンスは、ビジネスシーンにも広がるでしょう。日々仕事で使っているパソコンやその他のデバイスは、これまでと同じようにユーザーの行動習慣から学習して、適切なアプリケーションやサービスを適切なタイミングで先回り的に立ち上げて提供します。自然言語処理(NLP)と音声テクノロジーの進化によって、ユーザーはマシンとより生産的な対話を行えるようになる一方で、オートメーションとロボティクスによって、よりスピーディーで円滑なコラボレーションが可能になり、より多くのことを行えるようになるでしょう。また、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)アプリケーションが、オンサイトとオフサイトの両方で没入体験を提供し、ユーザーはいつでもどこでも必要なデータへアクセスできるようになるでしょう。

 

 

2. 「データの金鉱」により、テクノロジー投資における次の「ゴールドラッシュ」が加速

企業は長年にわたりビッグデータを貯めこんでいます。事実、このようなデータの量は2020年までに44兆GB(ギガバイト)、44ZB(ゼタバイト)に達すると予測されています。これは膨大な量です。デジタル トランスフォーメーションが具体化することで、最終的にこれらのデータも活用されるようになるでしょう。

 

企業が新しいイノベーションと効率的なビジネス プロセスを手にするとともに、これらのデータからより多くの価値を引き出す中で、テクノロジー分野ではさらなる投資が生み出されるでしょう。事実上あらゆる場所から知見を得られるデータ管理とフェデレーテッド アナリティクス、より安全かつスマートに卓越した成果を出せるデータ コンプライアンス ソリューションなど、AIを現実化するための新たなスタートアップ企業が出現するでしょう。

 

 

3. 5Gが最先端のライフスタイルを提供

来年中に、データのスピードとアクセス性について従来の環境を根本から刷新することが期待されている次世代ネットワークとともに、最初の5Gデバイスが市場に出回る予定です。低レイテンシの高帯域幅ネットワークは、より多くのモノ、自動車、システムがオンライン化されるとともに、すべてのデータが生み出されるエッジにおけるAI、マシンラーニング、コンピュートの負荷が高まることを意味します。

 

まもなく街には多くのマイクロハブ(データセンター)が出現し、これらのマイクロハブがもたらす新しい「スマート」環境も、街角で起こっていることについてリアルタイムの知見を提供するでしょう。都市や市街地のコネクテッド環境はかつてないほど進み、2030年にはスマートシティおよびデジタル インフラストラクチャーが大きな成功を収めるでしょう。このような環境によって、現場で生成されたデータと情報をクラウドとの間でやり取りをする必要なしに、リアルタイムで迅速に処理および分析を行い、必要なユーザーと手軽に共有できるようになるため、医療分野や製造業といった業界も従来の環境が根本から変革されるでしょう。

 

 

4. データ予測 ではさらに多くのクラウドが必要に

昨年、デル テクノロジーズはメガクラウドの出現を予測しました。メガクラウドは、IT戦略でパブリック クラウドとプライベート クラウドの両方が求められる中、多様なクラウドで構成されたパワフルな運用モデルの1つです。今のところ、この情勢は依然として変わっていません。異なるタイプのすべてのデータを効果的に管理しなければならない必要性を企業が実感する中で、パブリック クラウド対プライベート クラウドの議論は、徐々に沈静化していくでしょう。最近IDC社が実施した調査において、データをオンプレミスのプライベート クラウドに戻していると回答した企業は、全体の80%に上りました。パブリック クラウドの増加が予測されているものの、このトレンドはこれからも続いていくでしょう。

 

マルチクラウド環境によって、企業は、求めるときに求める場所でデータを管理、伝送、処理できるようになり、オートメーション、AI、マシンラーニングの処理がレベルアップします。実際、データの分散化が進む中で、自律走行車の環境やスマート ファクトリー、クラウド ネイティブ アプリケーション、保護されているオンプレミス データセンターなどのエッジにおいて、多くの新しいコンプライアンス規格とプライバシー規格、また当然ですが私たちが日々使っているさまざまなアプリケーションとサービスをサポートするパブリック クラウドに対応するため、これまで以上に多くのクラウドが登場するでしょう。

 

 

5. ミレニアル世代に続きZ世代が社会に進出

来年、ミレニアル世代の次の世代であるZ世代(1996年以降生まれの世代)が、社会に出てくることで、ミレニアル世代は自分たちの居場所を作らざるを得なくなります。Z世代が加わることでビジネスの世界では5世代が活躍することになり、多様性に拍車がかかるでしょう。Z世代の社会進出によって、ライフスタイルとテクノロジーのエクスペリエンスの幅が大きく広がります。Z世代の98%は、教育の一環としてテクノロジーを使いこなし、その多くはソフトウェア コーディングの基本をすでに理解しており、自分たちが働く環境の中で最高のテクノロジーだけを活用することを期待するでしょう。

 

Z世代によって就労環境の技術革新の新たな進化が促進されるとともに、彼らより前の世代のテクノロジー リテラシーおよび新しいスキルをオンサイトで学習する環境についても新たな機会が創出されるでしょう。AR(拡張現実)とVR(仮想現実)はますます一般的になり、高齢世代におけるスキル ギャップを埋める一方で、Z世代には彼らが欲するスピードと生産性を提供するでしょう。

 

 

6. 弱い結びつき、廃棄物ゼロ化へ: サプライチェーンはより強く、よりスマートで、よりグリーンに

持続可能なビジネスが多くのメリットをもたらすという確信を背景に、企業はデル テクノロジーズが率先して行っているリサイクルやクローズド ループ型のプロセスなどの新たなイノベーションを通じて、それぞれのビジネス モデルから廃棄物を減量・排除する手段を促進させるでしょう。このような動きを支援するため、デル テクノロジーズは海洋プラスチックを再生パッケージに、ディーゼル発電機の排ガスからの煤塵をボックス印刷用のインクに再生するといったブループリントを共有しています。

 

新しいテクノロジーを精査して活用することで、サプライチェーンのトレーサビリティ(追跡可能性)が高度化し、最適な流れを実現できる機会を高い精度で明らかにすることが可能になるでしょう。ブロックチェーンも重要な役割を果たすと考えられ、ソーシングにおける信頼と安全を確保すると同時に、一連のプロセスにおける商品とサービスに関する情報とデータのセキュリティーを確保します。

 

5G、AI、マシンラーニング、クラウド、ブロックチェーンなどのイノベーションがフルスロットルで準備を整えている今は、テクノロジーにとって、かつてないほどすばらしい時代と言えます。2020年、私たちは44ZBの膨大なデータを有効活用していることでしょう。また、以前であれば想像すらできなかったような新たな方法でデータのパワーを最大限に引き出し、日々の生活と仕事のトランスフォーメーションを実現しているでしょう。皆さん、シートベルトをしっかりと締めてください ―― 私たちは「データの時代」へフルスピードで突入しているところです。2019年は、すばらしい年になるでしょう。

取材・構成・文

ITジャーナリスト

大西高弘

 

2018年10月に開催された「Dell Technologies Forum 2018 Tokyo」では、データ保護ソリューションに関する併設セミナー「Dell EMC Data Protection 最新ソリューションセミナー」が開かれた。同セミナーでは、関電システムソリューションズ株式会社による導入事例講演、Dell EMCが考える次世代型のデータ保護戦略に加え、新しいサービス、そして、最新のコンバージドインフラ製品などが紹介された。またヴイエムウェア社との共同セッションにて、まもなく日本に上陸する「VMware CloudTM on AWS」及び同サービスに対応したDell EMCのデータ保護サービスについても紹介された。そこで、同セミナーの各セッションの概要を解説する。

 

●「Dell EMC データ保護ソリューション 最新の戦略とは」

 

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データ プロテクション部門

APJプリセールス 統括ディレクター

Yeong Chee Wai(ヤン・チー・ワイ)

 

かつて全世界で生成されるデータの量は「2020年までに44ゼタバイト」と言われていました。しかし最新の調査によると「2025年までに163ゼタバイト」になるとされています。増加の一途をたどるデータ量への対応もさることながら、組織はデータに対する考え方も大きく変えることを求められています。

 

現在のビジネスでは、まずスピード感のある対応が求められています。データの活用においても、安全に効率的に運用管理すると同時に、素早く事業部門が利用できるようにインフラを整えなくてはなりません。つまりデータ保護はビジネス成果の優劣にも大きく影響するようになっているのです。

 

データのオーナーシップは、IT部門から業務部門へと移りつつあります。業務部門は、新しいデータ活用インフラの構築に数週間、数カ月かかるという状況を決して容認しません。したがって、当然データ管理はクラウドを活用することが必然となっています。そうしなければ、急速化するビジネスサイクルに対応できないのです。

 

このような変化に対し、Dell EMCでは、以前から準備を進めてきました。そして、パブリッククラウドやプライベートクラウドを活用し、数時間でデータ保護インフラを構築できるサービスを提供できるようになりました。このインフラは、サイバー攻撃に対して強い防御力を持ち、万が一破壊的な被害を受けても、簡単にビジネスを復旧できるものです。このことで、Dell EMCのソリューションを利用する組織は、データを守るだけでなく、社会的な信用など、金銭だけでは表せない価値を維持できるようになります。

 

また、Dell EMCの最新のデータ保護ソリューションは、低コストで、要求されるキャパシティを50%減らし、ネットワークの帯域を95%削減します。もちろん、管理の負荷も大幅に削減しています。さらにVMwareとの技術的な連携を密にし、仮想環境でのバックアップ環境を統合しています。

 

 

●「クラウドの賢い使い方はデータ保護にあり 今から使えるクラウドソリューション データ保護ソリューション」

 

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Dell EMC

データ プロテクション部門

APJクラウドデータ保護ソリューション 統括

Jerry Vochteloo

 

現在、多くのユーザーが、「データセンターでやっている管理をクラウドでやり たい」「オンプレミスのサービスをクラウドに移行して自動化したい」といった 希望を持っています。また、「災害対策を目的としたデータ保護をクラウドに  よって安価に簡単に実現したい」というものもあります。

 

これらのニーズをまとめると、データ保護において、クラウドライクなコストと ケーパビリティをどう実現するのか、ということになるでしょう。

 

ユーザーの中には「もうデータセンターは持ちたくない」「少なくとも、これ以上はデータセンターを増やしたくない」という人が多く存在しています。では、それをどのように実現するのか。例えば、パブリッククラウドの利用がすぐに思いつきそうですが、もし、オンプレミスのクラウド環境でこれが可能だったらどうでしょう。

 

Dell EMCでは、オブジェクトベースのストレージをオンプレミスで提供しています。このギガバイト単価は1カ月あたり1.3セントです。つまり、一般的なパブリッククラウドサービスよりも安いのです。また、Dell EMCでは新しいコンバージド型のアプライアンスも提供しています。この製品はDell EMC Data Domainも格納しており、クラウドへ階層可能な192テラバイトを含む最大288テラバイトまで重複排除したデータを格納できます。このように、クラウドだけでなく、さまざまな製品、サービスを活用することで、さらに低コストに、長期保存を義務付けられているデータを保護することができます。

 

クラウドの活用で注意しなくてはならないのが、クラウドからデータを引っ張ってくるにはコストが高くつく、ということです。これは、クラウド上に設置しているサーバーの利用料金が高くなるからです。そこで当社では、クライアントからクラウド上のサーバーを介さず直接ストレージ格納する方法をお客様に紹介しています。この仕組みは、エージェントを仮想マシン上に載せ、そのエージェントが直接、S3などクラウドオブジェクトストアに書き込むという仕組みを採用しています。

 

また、スナップショットのライフサイクルを管理することも重要です。パブリッククラウドでは、スナップショットを何百、何千も作成するとそれだけでコスト負担が大きくなります。そしてこうしたパブリッククラウドのサービスでは、スナップショットを削除することができません。そこで、当社では「Dell EMC Cloud Snapshot Manager」というものを提供し、スナップショットの自動作成、削除を可能にしています。

 

このようにデータ保護用にクラウドを活用する場合も、ちょっとした工夫で、より効率的に、低コストで運用することが可能になります。

 

 

●「Azureでも利用できる、Avamarバックアップ」

 

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 関電システムソリューションズ株式会社

 ITサービス事業本部

 ITサービス基盤技術部

 ITサービス企画グループ

 テクニカルプロフェッショナル

 西川浩史氏

 

 

 

 

 

 

当社では、2018年8月からMicrosoft Azure、Dell EMC Avamar Virtual Edition、Data Domainを活用した「バックアップサービス」を展開しています。このサービスには、Dell EMC Avamar Virtual EditionとData Domainを活用しています。サービスを開発したきっかけは、ランサムウェアの脅威にはエンドポイントでのバックアップが不可欠だと考えたからです。

 

n9.jpgサービスの開発で、留意した点は、バックアップ時間とネットワーク負荷の削減でした。また、ユーザー自身でデバイスのリストアが完了できることも条件でした。AvamarとData Domainについては、以前から知っていましたが、今回のサービス開発でも試験を繰り返す中で、優秀な結果を出してくれ、そのままサービスインとなりました。重複排除率も、初回のバックアップ時は50%程度でしたが、データが増加するにつれ、99%まで実現されています。

 

AvamarやData Domainのライセンスはクライアントの数に依存するのではなく、バックアップデータ量に応じたライセンス体系となっています。そもそも重複排除機能でバックアップデータ量の増加自体を抑制することができるので、この点もお客様には大きなメリットとなるでしょう。

 

現在展開しているサービスは、お申込みをいただいてからヒアリング、設定の作業も含めて3週間程度で利用開始できます。もし、オンプレミスで同様のバックアップ体制を構築しようとすれば、半年(26週間)程度はかかると思います。データ保護を素早く、確実に実行したいお客様からすれば、半年という期間はかなりの重荷となるはずです。仮想アプライアンスを活用したサービスで「バックアップ問題」を解決してもらえるよう、今後も、多くのお客様に利用していただきたいと考えています。

 

(参考情報)

■ウイルス対策だけでは守れない、ランサムウェア等の脅威からデータを守るクラウドバックアップサービスを構築 AVAMARとDATA DOMAINで実現

 

■KS Solクラウドソリューション

 

■CIERTO/Hybrid Cloud with Microsoft Azure

 

●【実演デモ】最新コンバージドインフラ「DP4400」は本当に「シンプル」なのか?

 

n4.jpg Dell EMC EMCジャパン株式会社

 DPS事業本部

 SE部 シニアシステムエンジニア

 小川達彦

 

 Dell EMCでは、この7月にコンバージドインフラ「DP4400」をリリースしました。こ の製品は、Dell EMC PowerEdgeサーバーをベースにバックアップ管理サーバーや重複 排除機能を持ったストレージ、システム管理ツールなど、必要なものはすべてそろえ ている製品で、クラウドとの接続も簡単に行えます。そのため、導入してから短時間 で、クラウド上にDRサイトを構築して、利用することもできます。データの格納能力は最大で96テラバイト。このデータは重複排除された後のデータですから、実際にはその数十倍ものデータを格納できます。また、クラウドストレージ上には最大192テラバイトまでの重複排除済データを保管できます。

 

この製品のキーワードは「シンプル」。例えばハードウェアの増強は必要ありません。すでに必要なハードウェアは全て筐体内に用意されており、増強したい場合は増設ライセンスのみを購入いただき、ライセンスキーの追加のみで、すぐ拡張できるという仕組みです。

 

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設定もシンプルです。必要な情報さえ把握していただければ、ウィザードに従って入力していただけるので専門知識はいりません。入力のエラーチェック機能もあるので、混乱してしまうこともないのです。

 

「DP4400」の管理画面は驚くほどシンプルです。必要なことはこの画面ですぐに確認できます。また、構成の管理、アプリケーション追加もアプリケーションコンフィグレーションマネージャー(ACM)を利用して簡単に設定、確認を行うことができます。そのため、導入は数時間で済ませることができ、すぐに利用を開始できます。

(司会を担当していた女性社員がいきなりの実演でも成功)

シンプルなのは初期設定に限らず、その後の運用管理も非常に簡単です。IDPAシステムマネージャーを使えば、Data Domainなど格納されている複数のコン

ポーネントを、単一インターフェイスから統合的に管理できるので、            

新たなツールを加えることはかなり少ないはずです。ぜひ一度、まずは最初の設定作業などを体験いただいて、そのシンプルさを実感していただきたいと思います。

 

参考情報

Dell EMC、データ保護コンバージドアプライアンスのエントリーモデル「Dell EMC IDPA DP4400」を発表 シンプルで強力、かつ保護コストの最小化を実現する新製品

 

■コンバージド化されたデータ保護の導入作業とは?:DP4400の導入作業紹介

 

●「まもなく日本上陸『VMware Cloud on AWS』と、Dell EMCデータ保護ソリューションの“Better Together”とは?」

 

 

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ヴイエムウェア株式会社

パートナーSE本部 パートナーSE部

シニアシステムエンジニア

下村京也氏

 

Dell EMC EMCジャパン株式会社

DPS事業本部

シニアビジネスデベロップメント
マネージャー

西頼大樹

 

 

(下村)VMwareとAWSは、2017年に「VMware Cloud on AWS」の提供を発表しました。このサービスは、日本でのサービスはもうすぐですが、簡単に説明すると、AWSのインフラの上にVMwareのさまざまなテクノロジーを乗せたものです。しかもAWSの仮想化基盤の上にVMwareの仮想マシンを入れるのではなく、AWSのデータセンターにあるベアメタルのインスタンスに搭載します。そのため、このサービスは他のユーザーと共有するのではなく専用のインフラとして活用できます。

 

また、ベアメタルのインスタンスに搭載することで、AWSのサービスをインターネット回線で利用するのではなく、データセンター内のネットワークを経由します。そのためレイテンシを気にする必要はありません。

 

さらに、従来、オンプレミスで稼働していたVMをEC2のインスタンスに移行する場合、仮想マシンやアプリケーションの変更作業などが発生することがありました。しかし、「VMware Cloud on AWS」では、「ハイブリッドクラウドエクステンション」というツールを活用し、そのまま、移行できます。もう、移行先のVMware vSphere®のバージョンなどを気にすることもありません。

 

n7.jpg(西頼)Dell EMCでは、データ保護ソリューションに関するクラウドへの対応につい て3つの点を重視して製品・サービスの開発を行ってきました。それは、「データ の効率的な階層化」「クラウド上にターゲットを作ったうえでのレプリケーショ ン先の確保」「災害対策を考慮した簡易的なDRの構築」の3つです。

 

今回、まもなく「VMware Cloud on AWS」が日本に上陸することで、Dell EMCで は、ファースト・サイト(オレゴンリージョン)立ち上げ当初からの戦略的パー トナーとして、展開済みの他リージョンと同様に、VMware Cloud on AWSをこれ から日本で利用するお客様にも最初から同サービスに最適化されたDell EMCの  データ保護を導入いただける準備を進めてきました。「VMware Cloud on AWS」 を利用するお客様が、データ保護を実行する際、オンプレミスでVMwareの環境を 利用していたのと同じようにバックアップが可能になるようにしていきます。

 

この目的を達成するため、Dell EMCでは、同クラウド内でデータ保護ソリューションを使う際、「VMware Cloud on AWS」と同じスタイル:ホスト課金によるサブスクリプションでサービスとして購入できる仕組みを準備しています。つまり、「VMware Cloud on AWS」をサービスとして購入した際、同様にデータ保護ソリューションもご購入いただく形にしていこうとしています。パブリッククラウドをバックアップに使っているお客様は、日本でもかなり増えてきました。そうした状況を踏まえ、当社では、お客様がよりシンプルに、高度なデータ保護を実現できるよう努力してまいります。

 

(参考情報)

■ヴイエムウェア、VMware Cloud on AWSの日本市場での提供を発表

 

Dell EMC、「VMware Cloud on AWS」向けのデータ保護ソリューションを提供開始

 

 

●着実に進化し続けるデータ保護ソリューション

 

5つのセッションを通じて感じられたのは、組織の規模を問わず、ITインフラはクラウドの活用も含めて「シンプル化」していっているということだ。あと10年もすれば、個々の企業が大規模なデータセンター事業者と契約し、人員とコストをかけて管理していたということは完全に過去のものとなってしまうのかもしれない。さらに言えば、ハイブリッドクラウドが当たり前となり、データの保護、管理もかなり自動化されていくように思う。そこで重視されるのは、確かな保護ソリューションを採用し、パブリッククラウドでのデータ保護を着実に実行できる、製品やサービスを活用することだろう。

 

 

 

 

 

【シリーズ:新時代のデータ保護】

1回:DellEMCDNAを融合させたData Domainシリーズの最新版「Data Domain DD3300」の魅力とは?

2回:最新のデータ保護アーキテクチャを適正なコストで構築するための秘訣

3回:今後、データ保護ルールの新デファクトスタンダードになる可能性もあるEU一般データ保護規則(GDPR)

4回:サイバー対策の最新トレンド「サイバー復旧」とは何か?

5回:Dell EMC、データ保護コンバージドアプライアンス「IDPA」のエントリーモデル「DP4400」を提供開始 シンプルでパワフルなデータ保護機能をより身近に

6回:今後拡大が見込まれる「パブリッククラウドを活用したデータ保護」ユーザーが留意すべきポイントとDell EMCデータ保護の戦略

第7回:【特別編】Dell Technologies Forum 2018 – Tokyo イベント特集 パート1:デジタルトランスフォーメーションを支えるデータ保護の重要性

第8回:【特別編】Dell Technologies Forum 2018 – Tokyo イベント特集 パート2: ビジネス貢献度の高い「次世代型データ保護戦略」とは?

Dell COO(最高執行責任者)兼APJスペシャリティ セールス担当バイスプレジデント

ドミトリ チェン(Dmitri Chen)

 

Gartner社が発表した2018年のCIOアジェンダ調査レポートによると、95%ものCIOが自分たちの仕事はデジタル化によって変化または「リミックス」されると考えています。CIOには変化をリードする存在になることがますます重要視されていますが、これは幅広い新たな責任を負うとともに、重点を置く分野を従来のITの提供から切り替えることによって実現されるでしょう。

 

今、CIOの役割は大きく変容しつつあります。

 

誰もが知っているように、今日のCIOにはシステムのユーザーおよび生成されるデータを含め、テクノロジー環境に対する包括的な視点を全社規模で周知する以上のことが求められています。CIOは社内のITエコシステム全体を通じて人、プロセス、アプリケーションを監督することで、エコシステム全体からの集合的なアウトプットがビジネス ゴールをサポートし、必要な情報を提供できるようにしなければなりません。IT部門が社内のどの部門からも独立してバックエンドのサポートを提供していた時代はもう終わりました。

 

ポリシーおよびプラクティスの策定、プランニング、予算、リソース調達、トレーニングを含むITインフラストラクチャーの管理に加え、CIOには収益の増加とビジネス変革に貢献することが期待されています。テクノロジーを中核に据えた現在の企業環境において、CIOの位置づけは自社および顧客により良い成果をもたらす活動を促進し、実現するというところにあります。

 

こうした状況の中で、今日のモダンなCIOには成功する上で身につけておくべき3つの基本的な属性があります。

 

1. 促進・円滑化

今日のCIOはコミュニケーター、コラボレーター、イネーブラー、仲介者、世話役などの役割を担っています。CIOにはテクノロジーの導入とリーダーシップにおいて一貫性、ガイダンス、先見的な思考が求められ、社内全体を通じてビジネスに根づいた正当性の説明をし、アドバイスすることが期待されています。会社の利害関係者への基本的なアカウンタビリティー(説明責任)はもとより、CIOは自社の最新製品とサービスの提供と範囲を常に向上させていくために、開発者、データサイエンティスト、他のITスペシャリスト間の対話を促進する必要があります。

 

以前のCIOはテクノロジーの提供を管理することに主に力を注いでいましたが、今日のCIOはイノベーションの導入と動機づけによって自社の能力の幅をさらに広げていくことにより大きな重点を置いています。

 

2. スキルの開発と人材の保持 

デジタル トランスフォーメーションの成功に必要なのは、テクノロジーだけではありません。これらのテクノロジーを利用する人材のスキルアップ、またこれと並行してプロセスの改革を進めることで、これらのトランスフォーメーションを完成させることができるとともに、製品やサービスの市場展開までに要する期間のスピードアップ、新たな収益を創出するビジネスモデル、組織全体の効率向上を実現することが可能になります。例えば、デジタル化がもたらすメリットへの理解が進むのに伴い、CIOチームはコンサルタントとイネーブルメントの両方に対するニーズの高まりに直面することになるでしょう。このような状況の中、CIOチームはシステムとアプリケーションだけではなく、自らが属しているチームの幅広いニーズとビジネス上の優先事項もよく理解していなければなりません。

 

他にも、企業は導入する最新のテクノロジーについて、すべての従業員にトレーニングを実施して生産性を発揮できるようにすることをCIOに期待しています。また、成功に必要なツールを利用できなければ、チームメンバーからはすぐに不満が出てくるでしょう。CIOは、周囲の声に耳を傾け、ユーザー エクスペリエンスに焦点を当てながら必要なエンパワメントに重点を置くことで、優秀な人材を獲得・保持しながら最大限の生産性を引き出すことができます。

 

3. 評価

デジタル トランスフォーメーションの進捗についてCIOが評価される中で、プロジェクトの成功を評価、ベンチマーク、再現する能力は欠かせません。当然、これには一連の明確なKPIを規定して、定期的に徹底的な評価を実行することが含まれます。このような評価によって、トランスフォーメーションのプロセスをリアルタイムに確認・把握しながら、タイムリーに軌道修正していくことができます。

 

CIOは、常に自社の「デジタルの健康状態」(デジタル チャネルでどれくらいの収益を創出できているか?社内の各部門がデジタル イニシアチブに貢献できているか?)に注意を払い、把握していなければなりません。新規顧客の関心を引きつけるとともに、幅広いタッチポイントを通じてカスタマー エクスペリエンスへの満足度を高めているか(また、満足度の向上に伴い購買行動が変化しているか)? 新製品を市場投入するまでの所要期間を短縮できているか? デジタル製品とサービスから新たな収益の流れが生まれているか?

 

このようなビジネス基準の評価は、現在の投資と今後の投資の正当性をCEOおよび役員会に説明する上で欠かせない要素です。また、より重点を置くべき領域に対して、必要なインサイトも提供しなければなりません。企業はCIOに、このような全体像を描き出すとともに、全社規模のデジタル トランスフォーメーション イニシアチブがもたらす価値をわかりやすく、明確に伝えることを期待しています。

 

そして、祝福されるべき、変革を実現するCIOが誕生します ―― 人材の育成、イノベーションの推進、新たな収益源の獲得、社内外の顧客の能力を高めるプラットフォームの構築などをミッションとする、企業にとって真の「MVP」となる存在です。このようなCIOは、私たちすべてにとっての要となります。

 

https://community.emc.com/community/connect/anz/blog/2018/12/05/three-key-skills-that-will-define-a-successful-modern-cio?author=2018/04 (英語オリジナル)

 Bob DeCrescenzo
VP & GM of the VMAX Business Unit, Dell EMC


2018年11月27日

去る115日~8日にスペイン、バルセロナで開催された「VMworld Europe」で、Dell EMCは、VMwareと一緒に、最新の「Dell EMC PowerMax」テクノロジー プレビューを行いました。業界初となるこのテクノロジー プレビューは、仮想環境向けストレージのイノベーションに対するDell EMCのコミットメント、またDell EMCVMwareの緊密なコラボレーションをあらためて示すものです。

 

PowerMax」は、比類ない回復性、一切の妥協がないデータ サービス、卓越したパフォーマンス レベルが求められるアプリケーション環境のデファクト スタンダードとして、すでに多くの企業に導入されています。「PowerMax」の優れた効率性と自動化能力の統合によって、IT部門はインフラストラクチャをモダナイズ(最新鋭化)し、膨大なワークロードの統合、ハードウェアの省スペース化、消費電力の削減を促進できます。これらすべてがお客様に高い価値をもたらしながら、コストを削減し、複雑さを軽減します。

 

私は、「PowerMax」が、仮想化環境で、どのようにストレージパフォーマンスを達成できるかというデモをお見せできて大変嬉しく思います。このデモでは、業界初のテクノロジーによって、お客様の現行のストレージへの投資を保護しながら、将来への移行を支援する方法を紹介しました。

 

Dell EMCは、今回のテクノロジー プレビューにおいて、「PowerMax」に搭載されたNVMeSCMを公開しました。SCM100マイクロ秒を大きく下回るレイテンシを実現する次世代の主力製品と目される最先端のストレージ メディアで、パフォーマンスを要する現在および将来のワークロードを完全にサポートします。ユースケースとして、データ集中型のリアルタイム アナリティクス アプリケーションのサポートや超高速のトランザクショナルOLTP、データベース ワークロードなどが挙げられます。

 

エンド ツー エンドのNVMe

Dell EMCはエンド ツー エンドのFC-NVMeネットワークとともに、NVMe接続SCMドライブのパフォーマンスを最大限に引き出す、業界初のストレージ アレイのデモを公開しました。将来にわたり活用可能なこの組み合わせによって、これまでのテクノロジー環境を根本から変革します。ESG社が、NVMeテクノロジーに精通したITマネージャーを対象に実施した調査では、最終的にNVMeが既存のSASSATA接続のソリッドステート フラッシュ ストレージに取って代わると回答した割合は79%*1に上ります。

 

NVMe over Fabricは、フラッシュ アレイのメリットをフル活用するために多くのことを実行します。拡張的な並列性、同時性、スケーラビリティによって今日のマルチコアCPUおよび高速メディアの力を最大限に活用できるように設計されるNVMe over Fabricは、NVMe HBA(ホストバス アダプタ)からPowerMax NVMeドライブへのエンド ツー エンドのI/O最適化、大きなQDQueue Depth)、低レイテンシを提供します。これらのすべての特性によって、より多くのユーザーにより多くのアプリケーション トランザクションをより短いレスポンス時間で提供することが可能になります。またSANネットワークを活用することもできるので、企業がこれまでにインフラストラクチャに行ってきた投資も保護できます。

 

SCM(ストレージ クラス メモリー)

SCMは、低レイテンシな永続ストレージ メディアの今後を代表する存在です。SCMのパフォーマンス計測単位は数十マイクロ秒という驚くべき速さでDRAMのパフォーマンスに近づくレベルですが、DRAMに比べて低コスト、高密度で実装できます。これが一貫して予測可能なI/Oのレイテンシとともに、「インメモリ」と同様のパフォーマンスを提供する能力として、ユーザーにメリットをもたらします。

 

NVMeおよびSCMのメリットを活かすためには、適切なストレージ アーキテクチャが欠かせません。「PowerMax」は、実績に裏打ちされた革新的なリアルタイム マシンラーニング(機械学習)エンジンを有する世界で唯一のフラッシュ アレイとして、インテリジェントなデータ配置を実現します。このインテリジェンスな特性が、管理の負荷を強いることなくNVMeSCMのパフォーマンスを最適化します。「PowerMax」では、最も優先度が高く超低レイテンシが求められるワークロードにはSCMテクノロジーを使い、より動きが少ないデータセットにはNVMeフラッシュ ドライブを使用するというように、両方を透過的に活用することができます。IT部門がアプリケーションのパフォーマンスを高め、ストレージ コストを削減し、管理の手間を最小化する上で、このような使い分けは欠かせない能力です。

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PowerMax」のデモでは、超低レイテンシのSCMドライブ テクノロジーに仮想マシン(VM)データストアを置き、FC-NVMeとの比較で従来のFCを通じてVMwareが「PowerMax」ストレージをどのように認識するのかを紹介するとともに、全体として同一のファブリック上で、異なる2つの伝送テクノロジーにより構築されている2つのデータストア間において、仮想マシンをどのように動かすことができるのかが紹介されました。「PowerMax」でFCFC-NVMeの両方を通じてI/Oを同時に実行できる能力は、既存のITインフラストラクチャからより強力なFC-NVMeネットワークへの容易な移行をサポートする上での鍵となります。

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VMwareの友人たちも、このデモはかなり特別だと感じており、またVMwareのストレージおよび可用性ビジネスユニット担当バイス プレジデントのLee Caswellは、「PowerMaxは、ストレージクラスのメモリーとFC-NVMeの組み合わせにより最大のメリットをもたらし、大規模でパフォーマンス重視のVMware環境に最適です」とコメントしていました。また「PowerMax」革新のためにVMwareが提供するディープ インテグレーションを大切にしているハイエンドのお客様から、「パフォーマンスに対するあくなき欲求が垣間見えます」とも述べていました。

 

PowerMax」のデモは、以下の構成で行われました。

  • Dell EMC PowerMax 2000
  • PowerMaxOS およびUnisphere for PowerMaxGA前ビルド)
  • 32Gb FC I/O モジュール(NVMe over Fabricを実行。GA前ビルド)
  • 32Gb FC I/O モジュール(Fibre Channelを実行。GA前ビルド)
  • 750GB NVMeストレージ クラス メモリー ドライブ(GA前ビルド)
  • 8TB NVMe フラッシュ ドライブ
  • VMware vSphere ESXi およびvCenterGA前ビルド)*

* VMwareは、将来のvSphereリリースにおける係る機能の提供は保証しません。

 

*1 出典: 「ESG Master Survey Results, 2017 General Storage Trends」(201711月)

取材・構成・文

ITジャーナリスト

大西高弘



昨今、「デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉がメディアを中心にさかんに使われるようになった。

 

これは何を指すのか。簡単に言ってしまえば、組織がさまざまなアプリケーションを開発、利用して、これまでの業務やサービスを飛躍的に効率化したり、新しいサービスを提供して大きな需要を生み出す、といったことになるだろう。この際、AIやそれに付随した深層学習、RPAなど先進的なテクノロジーが利用され、さらにAPIの活用によって、多くのユーザーが簡単にアプリケーションを開発したり、利用したりできるようになる。

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10月19日に開催された「Dell Technologies Forum 2018 Tokyo」では、このDXについて多くのスピーカーが言及したが、Dell EMC データ プロテクション部門 APJプリセールス 統括ディレクターのYeong Chee Wai氏は、「データ保護」の観点からDX時代に必要になることを語ってくれた。









まず前提となるのが、DXの時代というのは、本格的なアプリケーション活用の時代に入るということだ。これまで、手作業や簡易的なシステムで行ってきた業務をアプリケーションで実行することが増えてくる。1人の作業者がこれまで3つのアプリケーションで仕事をしていたとすれば、今後は、さらに多くのアプリケーションを活用して仕事をこなす時代になる。そうした時代になってどんな変化が起こるのかといえば、データ生産量のさらなる増大と、その管理の重要性が増す、ということだ。

実際、IDCでは、2025年までに生産される全世界の総量は163ゼタバイトにまで達するとしている。ちなみに2020年までの総量が44ゼタバイトなので、増加比率も2020年以降はかなり大きくなると予測されているわけだ。

 

Yeong氏は、「デジタル/IT革新を成し遂げる最後の重要ピース Dell EMCが提供する『データ保護革新』とは?」と題する講演の中で、DX時代にふさわしいデータ保護戦略について話を進めた。

 

●包括的なリスク管理ができるソリューションを選ぶ

 

Yeong氏は、これからのデータ保護について、データの量だけでなく保護方法の多様化について指摘する。


「まず、格納する場所です。各アプリケーションが生成するデータをどこに格納するかも方法は変わってきます。それは、オンプレミスのストレージとバックアップストレージだけに格納されるのではなく、アプリケーションが稼働している多様なプラットフォーム上に格納されることになるでしょう。それは、クラウド上かもしれないし、データセンターの中かもしれない。また、ハイパーコンバージドインフラなのかもしれないし、オンプレミスのアプライアンスなのかもしれない。さらにクラウドといっても、プライベートなのか、パブリックなのかということも選択されるようになります。また、新しいアプリケーションにどう対応するのか、ということも問題になります。例えば、NoSQLのデータベースに格納されたデータをどう保護するのでしょう。こうした課題に対しても、すぐに対応できるベンダーこそが、データ損失のリスクを低減できるのです」

 

さらにYeong氏は、データを格納しバックアップ作業を行う主体も多様化すると指摘する。


「データ保護に関しては、データベース、サーバなどの各担当者がそれぞれ行うケースが増えています。つまりデータセットのオーナーがIT部門の中枢から、各現場へと分岐していっている。さらに一般の業務部門のユーザーがオーナーになるケースもある。こうした状況では、例えばバックアップインフラの構築については、担当者がセルフで自由にできるようにすることが求められるようになります」

 

こうした状況の変化に伴い、データ保護は、包括的にリスクを監視しながら行えるようなものでなくてはならないと、Yeong氏は指摘する。つまり、ある分野のデータ保護だけに特化したベンダーのソリューションを複数使い分けることは、もはや時代にそぐわなくなっているという。

 

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「複数のベンダーの製品を使い分けていた場合、データ損失のリスクが高くなることは、もはやはっきりしています。どんなプラットフォームでも、アプリケーションにでも対応し、基幹システムからエンドポイントまで、さまざまな階層で生成されるデータを包括的に保護することができるベンダー1社を選ぶべきです。Dell EMCはDX時代にふさわしい、包括的なデータ保護ソリューションを目指しています」

 







●アプライアンスをクラウドサービスとして提供する


Yeong氏は「包括的なデータ保護」に必要な柔軟な対応力について解説する。


「当社の製品、サービスはアプライアンスとしてクラウド対応しているだけでなく、クラウド上でサービスとして活用することにも注力しています。ハードウェアを購入して自社で組み立てていくというお客様にも製品を提供する一方で、ハードウェアで提供している機能を、クラウド上のマーケットプレイスで購入し活用することもできるのです。例えば、当社のバックアップ用ストレージであるDell EMC Data Domainは、クラウド上でのサービスとして利用できます」

 

Data Domainは、高い重複排除機能を持つ、人気製品だが、Dell EMCでは早くから、クラウドでの利用を想定し、ハードだけの提供にこだわることなく、サービス化させている。ユーザーのニーズを先取りし、ユーザーにとってもっとも使いやすいスタイルでの提供を実現させている。

 

Data Domainは、「データ保護の最後の砦」となるよう開発された製品である。データを損失させてしまったユーザーが最後の最後に頼りとするストレージとして開発された。この製品では、複数ディスクの多重障害時に対する冗長性を確保しているだけでなく、常にデータが正確に書き込まれたかをチェックする独自の保全機能を持つ。また、ブロックごとのチェックも行うように設計されている。

 

こうした製品も「クラウド上で活用したい」というユーザーが現れることを先取りし、サービス化させている。Yeong氏がいう「包括的なデータ保護」を提供するベンダーとは、こうしたことを指すのだろう。

 

Yeong氏は「もう、多くのITユーザーは、事前にバックアップインフラに対してお金を払うということをよしとしない。優れた機能やサービスでも、使った分だけ対価を払い、不要になれは、それ以降はコストが発生しないというのが当たり前になっている」と話す。

 

つまり、こうしたユーザーの変化に即時に対応できるベンダーこそが、DX時代にふさわしい企業だといえるのだ。アプライアンスとしてバックアップストレージを購入したユーザーが、時間経過に伴って、クラウド活用を積極的になっていったとき、最適なソリューションを提供できるか、そこがポイントとなる。

 

●高機能の製品で、バックアップコストを最適化

 

また、この対応力は「人的にもITリソースの薄いユーザーが、的確なデータ保護を行える」という点でも生かされている。IDPA(Integrated Data Protection Appliance)は、その代表格だろう。

 

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この製品には、データ保護を実行する上で必要な機能をすべて格納したコンバージドインフラ製品だ。クラウドとの連携機能もあり、設定も数時間で完了できる。DXがさらに本格化すれば、小規模な組織やスタートアップ企業でも、管理しなくてはならない重要データが飛躍的に増大してくる。その際、こうしたコンバージド型の製品が大きな力を発揮してくれる。

 

  







「これまで、DR(災害対策)サイトは大きなコスト負担が課題でした。しかし、いまはクラウドにデータをコピーして簡易的なDRサイトを簡単に構築できるようになりました。しかし、その際、本当にいざという時にクラウドからデータを引っ張り出して、事業の継続性を維持できるのかが気になります。当社のIDPAなら、そのような心配をする必要はありません。これは多くの導入ユーザーも認めるところでしょう」とYeong氏は話す。

 

さらに、クラウドでのバックアップ活用のコストについてもYeong氏は次のように指摘する。

 

「パブリッククラウドでバックアップを行うことのみが、必ずしもコストを最適化できるとは限りません。バックアップデータをリストアする際や、スナップショット作成のコストはそれほど安価ではないのです。そこで当社では、クラウドのデータストアに、サーバを介することなくデータを送る仕組みを提供しています。また、付け加えると、バックアップデータの総量、あるいは一回のバックアップの大きさによっては、1台のData Domainでバックアップしている方が、コスト的には安い、というケースもあります。Data Domainの重複排除率は、平均で30分の1です。これだけ高効率の排除率であれば、ケースによってはクラウドを活用して、新たなコストを負担しないほうがいいという判断もできます」

 

VMwareとの高い親和性でさらに効率的にデータ保護

 

VMwareは、Dell EMCと一体化したベンダーである。そのため技術的な連携が常に図られており、バックアップソリューションにおいても同様の取り組みが継続されている。

 

VMwareの仮想環境でバックアップをする際、当社の製品を活用することで、重複排除率は72分の1となります。この驚異的な能力は、クラウドやその他の環境でバックアップデータを格納する際、大きなコスト低減を現実化させます」とYeong氏は話す。

 

また、まもなく「VMware Cloud on AWS」が日本でも提供される。このサービスは、AWSの仮想化基盤上にVMwareの仮想マシンを入れるのではなく、AWSのデータセンターにあるベアメタルのインスタンスに搭載するというものだ。とくにプライベートクラウドでVMware環境を利用していたユーザーにとっては、利便性を損なうことなく、パブリッククラウド上で低コストに多様なIT活用が可能になる。

 

パブリッククラウドの活用では、データ保護はユーザーの責任で行わなくてはならない。Dell EMCは、「VMware Cloud on AWS」の戦略的なパートナーとして世界で最初に指名され、データ保護ソリューションを順次提供し始めている。その中には、「as a service」として提供するものもあるという。「VMware Cloud on AWS」を利用すると同時に、サービスとしてデータ保護機能を購入し活用することになる。

 

   

 

ここまで、Yeong氏の解説を聞いていて感じたことは、「包括的なデータ保護サービス」とは、ソリューションの提供形態が多様に用意されていることが、必須の条件になるということだ。システムのあらゆる階層で保護が可能であることも重要だし、ギガバイト当たりのコストも着目すべきだが、それでも、ニーズに合わせた機能提供を、アプライアンス、SaaS、ソフトウェアなどあらゆる形態で実行できる企業であれば、ユーザーは自社の事情に合わせて、最適な方法を選ぶことができるだろう。

 

また、Yeong氏は、最適で自動化された保護ソリューションを活用することで、IT人材がバックアップやデータ保護にかかわる時間や手間を大幅に減少させることができると指摘する。IT予算はそれほど増えない中でも、データ保護コストを低減させ、IT人材の時間も確保することで、アプリケーション開発に注力することが可能になるということだ。これこそ、まさに「DX時代のデータ保護戦略」の根幹といえるものだろう。


 

 

Yeong氏が講演にて解説した様々な製品・ソリューションはSolution Expoにも展示され

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注目の最新コンバージドインフラ「DP4400」には多くの方が足を止め、説明を聞いていた。


 

 

 

 

 

 

 

 





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【シリーズ:新時代のデータ保護】

1回:DellEMCDNAを融合させたData Domainシリーズの最新版「Data Domain DD3300」の魅力とは?

2回:最新のデータ保護アーキテクチャを適正なコストで構築するための秘訣

3回:今後、データ保護ルールの新デファクトスタンダードになる可能性もあるEU一般データ保護規則(GDPR)

4回:サイバー対策の最新トレンド「サイバー復旧」とは何か?

5回:Dell EMC、データ保護コンバージドアプライアンス「IDPA」のエントリーモデル「DP4400」を提供開始 シンプルでパワフルなデータ保護機能をより身近に

6回:今後拡大が見込まれる「パブリッククラウドを活用したデータ保護」ユーザーが留意すべきポイントとDell EMCデータ保護の戦略

第7回:【特別編】Dell Technologies Forum 2018 – Tokyo イベント特集 パート1:デジタルトランスフォーメーションを支えるデータ保護の重要性



 





【全6回シリーズ6/6 最終回! 新時代のデータ保護】

 

「クラウドネイティブ」という言葉は、クラウド中心のITインフラを利用していく場合に使われる。ただしその場合のクラウドとはこれまで、オンプレミスで構築したプライベートクラウドを指すことが多かった。しかし「マルチクラウド」という考え方が浸透してきているのも事実で、パブリッククラウドを含めたクラウド活用をどう確立していくかが話題となっている。今回は、バックアップも含めたデータ保護の観点から、新しいパブリッククラウドの利用法をDell EMCのPeter Marelas氏に聞いてみた。

 

 

Peter Marelas

Dell EMC

Principal Systems Engineer

最近、お客様のクラウドに関する懸念事項に変化を感じることが増えました。

Bain cloud computing surveyの調査でも、それがはっきり裏打ちされていますので、少し紹介しましょう。この調査では、2012年と2015年での、懸念事項に関する回答を比較しています。

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2012年の段階では、懸念事項の中心はデータセキュリティやコスト、そしてSLAが守られるかといったことでした。もちろん、こうした懸念は2015年においても消えてしまうことはないのですが、2015年時点での懸念事項の中心は、データの可搬性、サービス事業者からのロックイン、コンプライアンスや規制対応などになっています。

 

Dell EMCでも、パブリッククラウドを利用するお客様から、さまざまなご相談を受けています。プライベートクラウド、オンプレミスを含めたマルチクラウド、ハイブリッド環境を構築しているお客様も多く、安全かつ低コストでパブリッククラウドをどう利用していくかに腐心されているお客様がほとんどです。

 

簡単に言ってしまえば、こうしたお客様は、パブリッククラウドの中にある自社のデータおよびワークロードを、オンプレミスの環境と同様にコントロールしていきたいと考えています。

 

これが実現すれば、1つのパブリッククラウドから状況に応じて別のクラウドにデータを移行することができますし、セキュリティも保たれます。また、ある事業者のサービスにロックインされることもありませんし、常にコストを最適化することが可能です。

 

Dell EMCでは、こうしたご要望に対応するため、「LTR To Cloud(クラウドへのデータ長期保存)」「DR To Cloud(クラウドへのDR)」「In Cloud Protection(クラウド内での保護)」「SaaS Protection(SaaSデータの保護)」という4つの用途に分けてパブリッククラウド向けのソリューションを開発、提供しています。

 

●4つの用途に分けたDell EMCのパブリッククラウド向けソリューション

 

「LTR To Cloud」のLTRとは「Long Term Retention(長期保存)」という意味です。長期保存が必要なデータ保管場所を、安価なパブリッククラウドストレージに変えることで従来のデータ保護コストを大幅に節約することができます。

 

しかし、重要データをパブリッククラウドに保管するということに、セキュリティ上の懸念を抱いているユーザーも少なからずいるでしょう。

 

Dell EMCでは、長期保存するパブリッククラウドのストレージも、他のオンプレミスの環境と同様の1つの階層としてとらえ、管理、保護するという考え方を持っています。

 

当社が開発したData Domain Cloud Tierという機能では、AWS、Azure、Virtustreamといったクラウドサービスのストレージをオンプレミスから直接階層化して利用することが可能になります。一定のポリシーに従って、自動的に保存すべきデータが暗号化されたうえで転送され、しかもソース側で事前に重複排除するので、クラウド側に保存するデータ量を大幅に圧縮することが可能です。

 

これによって、従来テープで重要データをバックアップしていたお客様は、大幅なコスト削減ができるようになります。

 

「DR To Cloud」は、災害対策でのパブリッククラウドの活用です。

 

DRサイトでは、データだけでなく仮想マシンをコピーして、万が一の場合は、これらを保存したパブリッククラウド側でシステムを稼働させることになります。また、さらに重要になるのは、しばらくDRサイトでシステムを稼働させていて、のちに本番環境が復旧した場合は、従来のシステム環境に戻る、つまりフェールバックが正確にできるかどうかということです。

 

Dell EMCでは、こうしたフェールオーバー、フェールバックを1つの管理コンソールから簡単に実行できるData Domain Cloud Disaster Recovery機能を提供しています。

 

「In Cloud Protection」は、IaaSとして利用しているパブリッククラウド内のシステムデータを、オンプレミスと同様のレベルで保護するというものです。

 

AWS、Azure、Virtustreamなど代表的なパブリッククラウドは、機能も充実しており、安全性も向上していますが、それでも、ユーザーによる作業ミスやシステムデータの部分的な棄損、破壊の可能性はゼロではありません。

 

Dell EMCでは、こうした可能性に対応するために、「Cloud Snapshot Manager」というサービスを提供しています。現在、AWSに対応していますが、まもなくAzureにも対応することなります。

 

「Cloud Snapshot Manager」は、製品機能ではなくサービスとして提供するものです。パブリッククラウド内のスナップショットを外部からコントロールすることで、実装・管理の簡素化だけでなく、適切なデータ保護状況のモニタリングや、コストに直結するストレージ容量消費の適正化を可能にします。

 

また、このサービスを利用することで、IaaSとしてクラウドを活用している場合は、他のIaaSにシステムを移行させることも理論上可能です。昨今は、パブリッククラウドで稼働していたシステムを、マルチリージョン、マルチクラウドで戻すというニーズも出てきています。いずれにしても、こうしたスナップショットの管理をサービスとして利用できれば、新たな大がかりなソリューションを導入する必要もなくなり、リーズナブルだといえるでしょう。

 

「SaaS Protection」は、SaaS利用におけるバックアップです。Office 365、Salesforce、G Suiteなどのバックアップサービスを提供している、Spanning社と協力してお客様に提供しています。このSaaS向けバックアップサービス自体もSaaSなので、ソフトウェアやアプライアンスを導入する必要はありません。

 

●これからのクラウド活用における留意点とは?

 

今後は、多くの企業でパブリッククラウドの活用がもっと活発化すると、わたしは考えています。それは、データ保護の観点からもいえることで、低コストのパブリッククラウドをうまく利用することで、従来のストレージ関連コストが低減され、また、運用負荷も低くなるからです。

 

この方向性に抗う企業は、ほとんど存在しえないでしょう。実際、「Cloud Snapshot Manager」は、ある金融機関の「パブリッククラウドでも、オンプレミス並みのデータ保護をしたい」という要望に当社が応えることで完成したサービスなのです。

 

オンプレミスのプライベートクラウドよりも、パブリッククラウドをIT環境の中心にすえて考える企業は、次第に増えていっています。だからこそ、Dell EMCでは、4つの用途にわけたクラウドソリューションを提供しているわけです。

 

ただし、クラウドサービス事業者は、ユーザーデータの完全性を担保してくれるわけではありません。データ保護は、利用者自身が手を打つしかないのです。そして、どんなに優れたクラウドサービスも時には障害が起きることがあり、ユーザーはその事態に備え、データを含めたシステム全体を守り、事業の継続性を担保していかなくてはなりません。

 

こうした備えをしっかりとることで、パブリッククラウドの活用がさらに効率化、安全化され、それが、ユーザーの競争力の源泉ともなります。

 

日本のお客様にも、そうした本当の意味での「クラウドネイティブ」な企業が増えてきているのも事実です。Dell EMCは、こうしたお客様のニーズに応えるためにも、素早くニーズをキャッチして、先進的で利用しやすい、製品、サービスを提供していきます。

 

 

《まとめ》

パブリッククラウドは、一部のサービスのみか、長期保存する必要のあるデータの保管場所、ととらえるユーザー企業はまだ少なくない。しかし、グローバルのさまざまな有力ユーザーの動向を知るMarelas氏によると、パブリッククラウドの利用メリットを最大限に生かし、重要なシステムをそこに移行する動きが活発化しているようだ。おそらく、システム関連経費を大幅に絞ることで、新たな投資や事業拡大の余地を増大させるというのがその目的だろう。こうした動きは早晩国内にも波及してくるはずで、それに備える意味でも、Dell EMCのクラウド関連ソリューションは注目に値する。

 

聞き手・構成

ITジャーナリスト 大西高弘

 

【シリーズ:新時代のデータ保護】

1回:DellEMCDNAを融合させたData Domainシリーズの最新版「Data Domain DD3300」の魅力とは?

2回:最新のデータ保護アーキテクチャを適正なコストで構築するための秘訣

3回:今後、データ保護ルールの新デファクトスタンダードになる可能性もあるEU一般データ保護規則(GDPR)

4回:サイバー対策の最新トレンド「サイバー復旧」とは何か?

5回:Dell EMC、データ保護コンバージドアプライアンス「IDPA」のエントリーモデル「DP4400」を提供開始 シンプルでパワフルなデータ保護機能をより身近に

6回:今後拡大が見込まれる「パブリッククラウドを活用したデータ保護」ユーザーが留意すべきポイントとDell EMCデータ保護の戦略


【全6回シリーズ5/6 新時代のデータ保護】

 

Dell EMCは、2018年7月、統合データ保護アプライアンス「IDPA(Integrated Data Protection Appliance)」シリーズの最新モデル「DP4400」の提供を発表した。この製品は既存のIDPAシリーズの各製品の中では価格を抑えた「エントリーモデル」として位置づけられる。このことで、データ保護関連の全体コスト、特に運用コストに悩むユーザーも、より身近にハイレベルな重複排除機能やマルチクラウド環境でのシンプルな運用プロセスを利用できるようになる。そこで、今回はこの製品に深くかかわったDell EMCのTan Jit Chuan氏に話を聞いた。

Tan Jit Chuan

Dell EMC

Field CTO

APJ DPSチーフアーキテクト

 

今回市場投入した統合データ保護アプライアンス「IDPA(Integrated Data Protection Appliance)」シリーズの最新モデル「DP4400」は、「IDPA」シリーズの中で初のエントリーモデルとして位置づけられます。そのため、IDPAが提供するシンプルでパワフルなデータ保護機能を、より身近に利用できる製品といえるでしょう。

 

まず、DP4400のお話しを始める前に、なぜDell EMCがIDPAの提供を始めたかについて、お話しさせてください。

 

みなさんもご存じの通り、世界中で発生しているデジタルデータは、IDCの調査によると、2013年の4.4ゼタバイトから2020年には44ゼタバイトに増加するといわれています。

 

この爆発的な増加は、おそらくみなさん自身も実感していることではないでしょうか。組織で蓄積運用するデータ量は、毎年予想を上回る勢いで増え続け、それに対応するためのストレージコストはどんどん膨らんでいきます。それだけでなく、IT環境の変化から、データ保護の運用も複雑化し、思うようにデータ活用が進まないといった状況も出ているのではないでしょうか。

 

IT環境の変化、というものをもう少し具体的に考えてみましょう。

 

最大の変化はクラウドです。Dell EMCの調査でも、85%のエンタープライズ企業がマルチクラウド環境を目指しており、70%のCIOが、クラウドファーストの方針を掲げています。

 

これは、何を意味しているのか。データ保護の観点からいえば、従来の各部門、縦割りで行っていたデータ保護体制を切り替え、クラウドを活用しながら、あらゆる部門、部署、事業所などで発生するデータを統合的に管理するということになります。

 

このことで、ストレージなどのハードウェアから、管理ソフトウェア、そして運用担当者などの人的コストまで、可能な限り適正化することができます。また同時に、データ管理の壁を取り払うことで、より活発なデータ活用が実現するのです。

 

しかし、ここで新たな問題が発生するようになりました。

 

それは、クラウドも含めたITインフラの複雑化です。縦割りのデータ保護体制を低コストで変更するには、クラウドの利用が欠かせません。しかし、クラウドにはプライベートクラウド、パブリッククラウドの2種類があり、マルチクラウド体制ではこの両方をうまく活用していくことになります。そして、ITインフラには既存のオンプレミス環境もあり、これらを上手に組み合わせて、新しいデータ保護体制を構築していかなければなりません。

 

●マルチクラウド時代に求められるデータ保護体制のありかたとは?

 

たとえば、使わなくなったが廃棄することはできないデータを、利用料金がリーズナブルなパブリッククラウドのストレージサービスに移行する、ということが多くの企業で行われるようになりました。

 

しかし、一定のルールに基づいて自動的に古いデータをクラウドに移行できなければ運用プロセスが属人化してしまいます。さらにデータをパブリッククラウドに送信するコストや時間も考えなければなりません。そしてパブリッククラウドが安いといっても、データをそのまま保存しているのでは、やはり利用コストは次第に負荷となってきます。また、その古いデータを利用する必要が発生したときに、どれくらいの時間で社内システムに戻すことができるのか、ということも考える必要があります。

 

それからもう1つ、パブリッククラウドを災害対策(DR)用に利用するということも、昨今のトレンドになっています。この場合、データも含め、仮想マシンをコピーしてクラウド側に保存するわけですが、フェールオーバー、フェールバックを適正に実行できるか、ということも確認しておく必要があります。また、DRサイトの運用は別の管理製品で実行するしかない、というのでは、非常時の運用という意味で不安視されることになるでしょう。

 

「IDPA」がなぜ生まれたか、という背景には、こうした多様な環境でのデータ保護をできるだけシンプルに行いたいというニーズがあります。

 

将来のデータの増加量を予測したうえで、相当の期間対応でき、しかも予測外のIT環境の変化があっても追加のコスト負担は最小限。これこそ、当社のお客様が求めるデータ保護コンバージドアプライアンスなのです。

 

●2Uというコンパクトなアプライアンスが複雑な環境下でのデータ保護を実現

 

「DP4400」は、そのプラットフォームにDell EMC PowerEdgeサーバを採用し、さらに最新のNVMeフラッシュテクノロジーを活用しています。これにより、バックアップ、リストアのスピードも大幅に上がりました。ストレージ容量はオンプレミスで24テラバイト~96テラバイト、クラウドに追加で192テラバイトまで拡大できます。この容量は、2Uというサイズで提供可能な容量として、同クラスの他社製品よりも20%大きなものです。

 

最小構成の24テラバイトだけでなく、どの容量でスタートしても、それ以上の利用が必要なときは、追加のライセンスをお支払いいただくだけで、最大96テラバイトまで拡張でき、ハードウェアを買い足す必要はありません。

 

「DP4400」は、ほかの「IDPA」シリーズと同じくVMwareの仮想環境で55:1、それ以外でも高い重複排除率を誇ります。この能力は、他社製品を大きく上回るものです。この重複排除機能があるおかげで、ユニークなデータのみバックアップされるので、クラウドへの転送においても、暗号化された状態の重複排除後データを送ることができます。そのため、生のデータをそのまま転送するのに比べて98%帯域を少なくできます。

 

そして、「DP4400」は、こうした高い機能をわずか2Uの筐体で提供します。データの保存容量が増えても2Uのままなので、データセンターのコスト低減にも貢献できます。

dp4400.png

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また「IDPA」ではシンプルな運用を可能にすることを目指しており、お客様からも高い評価をいただいています。「DP4400」でも、シンプルで直感的に理解できる管理コンソールを用意し、データの検索も素早く実行することが可能です。

 

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●企業規模にかかわらず適正なデータ保護環境を実現できる「DP4400」

 

クラウドへの対応についても、もちろん、「DP4400」は他社製品にはない機能があります。

 

パブリッククラウドをDRサイトに活用している場合、復旧後のフェールバック、つまり一度DRサイトで運用していた体制を従来の本番環境に戻すことが必要になりますが、「DP4400」が搭載するData Domain Cloud Disaster Recovery機能が、いつでも本番環境に戻すことを可能にします。

 

現在はオンプレミスのVMware仮想OSをAWSへフェールオーバー、およびフェールバックが可能で、近々にはAzureなど他のパブリッククラウドプラットフォームもサポートする予定です。

 

dp4400-4.png

また、この製品はご購入後、数時間で利用開始することが可能なように設計されており、何カ月もかけて改めてユーザー側で設定しなおすという必要はありません。

 

さらに、運用における自動化機能も充実させて、クラウド、オンプレミス間のデータ送信も簡単に設定できるようになっています。

 

また「DP4400」は、Dell EMCのストレージをご購入いただいたお客様に対するさまざまなお約束をさせていただく、「FUTURE-PROOF STORAGE LOYALTY PROGRAM注1」の対象製品にもなっています。重複排除率はもちろん、お客様満足度などもお約束させていただき、保守コストも明確にした上で保証し、この製品にまつわるすべてのコストを透明にしています。したがって、予測していなかったコストがご購入後に発生することはありません。

 

こうしたことができるのも、当社が「DP4400」の性能について高い自負をもっているからとご理解いただければと思います。マルチクラウドの時代はすでに到来しており、会社の規模にかかわらず、多くの企業にとって当たり前の環境となりつつあります。そうした環境で、適正にデジタルトランスフォーメーションを実現するためにも、「DP4400」の活用を検討していただければと思います。

 

《まとめ》

Jit Chuan氏は、「DP4400」は、EU一般データ保護規則(GDPR)などの厳しい規制なども念頭にいれて開発したと話す。エントリーモデルといっても、データ保護機能は従来の「IDPA」シリーズとほぼ同等の能力をもつこの製品は、データ保護にまつわる追加コストも含めた関連予算を圧縮したいユーザーから、大いに注目されるものとなるはずだ。

 

聞き手・構成

ITジャーナリスト 大西高弘

※注1:Dell EMC FUTURE-PROOF STORAGE LOYALTY PROGRAM

 

参考文献:Efficiently Protect Virtual Environments with Integrated Data Protection Appliances from Dell EMC(ESG Lab, February 2018)

 

 

【シリーズ:新時代のデータ保護】

1回:DellEMCDNAを融合させたData Domainシリーズの最新版「Data Domain DD3300」の魅力とは?

2回:最新のデータ保護アーキテクチャを適正なコストで構築するための秘訣

3回:今後、データ保護ルールの新デファクトスタンダードになる可能性もあるEU一般データ保護規則(GDPR)

4回:サイバー対策の最新トレンド「サイバー復旧」とは何か?

5回:Dell EMC、データ保護コンバージドアプライアンス「IDPA」のエントリーモデル「DP4400」を提供開始 シンプルでパワフルなデータ保護機能をより身近に

6回:近日公開予定

デビッド ウェブスター(David Webster)

APJエンタープライズ担当プレジデント、Dell EMC

 

自動運転車で通勤したり、夕食の献立について冷蔵庫と会話したり、AI(人工知能)を実装したチャットボットからカスタマー サービスを受けたりする。このようなことを生きているうちに体験できるかもしれないとは、驚くべきことです。テクノロジーの発展は、以前であればフィクションだったこのようなシナリオを、もうまもなく実現しようとしています。

 

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これらのソリューションを現実化するために飽くことなくイノベーション(革新)を進めていく中で、私たちはマシンとの相互関係を根本から変えることになります。実際、最近デル テクノロジーズが発表した「Realizing 2030: A Divided Vision of the Future」によると、アジア太平洋および日本(APJ)地域のビジネス リーダーの大部分(80%)が、5年以内に人とマシンが統合チームとして仕事をするだろうと考えています。

 

APJ地域の企業はデジタル トランスフォーメーションの過程で新しいテクノロジーを導入しており、これらのテクノロジーがより多くの人とマシンのパートナーシップへの道筋を作り出しています。例えばAIについて、この調査ではビジネスリーダーの81%が5年以内にAIによって顧客のニーズを先取りできるようになることを見込んでいます。これは前向きで明るい結果ですが、新しいテクノロジーおよびこれらのテクノロジーが生み出す膨大な増加データから企業が最大限の価値を引き出すためには、クラウド コンピューティングへのアプローチについて正しいITトランスフォーメーションの判断をすることが欠かせません。デジタルを背景にした新たな要件によって、既存のITインフラストラクチャはたやすく打ち破られるでしょう。

 

APJ地域のビジネス リーダーとITリーダーは、残念ながら今でも過去に下した意思決定からの重荷を引きずっています。大抵の場合、クラウドの導入は幅広い戦略の一部というよりは数ある項目の1つに過ぎません。これまで長年にわたりパブリック クラウドの導入が進められてきていましたが、現在プライベート クラウドやハイブリッド クラウドへのシフトおよび多様なビジネス ニーズとワークロードに応えるクラウド サービス プロバイダとのパートナーシップが進んでいます。例えば、スピードと効率の向上という観点から一定のワークロードがオンプレミスへ戻されている一方で、パブリック クラウドは非ミッション クリティカルなワークロードに対して利用される場面が増えています。実際、IDC社はAPJ地域のエンタープライズ企業の70%以上が2018年までにマルチクラウド戦略を採用するとしています。

 

multi-cloud.pngこのようにマルチクラウドが未来の方向性であることは明らかですが、企業はこの現実がもたらす複雑さとニーズの管理について、大きな課題に直面しています。企業には、データのやり取りを簡単に行えるとともにマルチクラウド インフラストラクチャをシンプルかつシームレスに管理できる戦略が必要です。

 

このような複雑さに対処して新たに出現するテクノロジーから最大限の価値を引き出せるようにするには、コラボレーションに重点を置く必要があります。企業が最適なコラボレーティブ アプローチを確立するためにはどうすべきなのか、その方法を紹介します。

 

顧客を中心に据える

今日の市場においてカスタマー エクスペリエンスは重要な差別化要因で、新しいカスタマー エンゲージメント モデルへの移行にマルチクラウド環境が使われる場面が増えてきています。前出の調査「Realizing 2030」において、カスタマー エクスペリエンスを役員会レベルの事案として取り組むことを優先事項であるとしているAPJ地域の企業は、10社中9社近くに上ります。社内外を通じたさまざまな相手先との世話役として、IT部門およびCIOの戦略的役割が高まるのに伴い、すべての関係者が質の高いカスタマー エクスペリエンスの提供に集中できるようにすることは、コラボレーションとパートナーシップを醸成する上での助けになります。

 

applications.pngデータがすべての要であることを認識する

あらゆる業種を通じて、イノベーションの実現、高品質なカスタマー エクスペリエンス、差別化の促進における鍵となるのが、クラウド ネイティブ アプリケーションです。APJ地域のビジネス リーダーのうち、すでにアプリケーションをパブリックまたはプライベート クラウド(ハイブリッド クラウドなど)へ移行するテクノロジーに投資しているとしたリーダーが45%に上り、今後5年間で投資を行う予定であるとしたリーダーが47%に上るのも不思議はないでしょう(「Realizing 2030」調査)。

 

ただし、これはテクノロジーだけの話ではなく、適切な人材とスキルへの投資も含まれています。今日のマルチクラウドの世界では、単なるクラウド ネイティブ アプリケーションの提供の先へと進化していくためのDevOps へのニーズも出現しています。新たに出現しているさまざまなテクノロジーによってデータ量が増加している中、DataOps の到来を認識し、効果的なコラボレーション方法を見つけてデータを管理できる企業が、デジタル トランスフォーメーションを加速させることができます。

 

将来に焦点を当てたパートナーシップを組む

マルチクラウドは単なる始まりにすぎません。私の同僚でDell EMCのCTOであるジョン ローズ(John Roese)は、2018年の予測の中で、複数のクラウドシステムが連携して相互作用するメガクラウドこそが未来であると述べています。メガクラウドは次世代のITインフラストラクチャで、IT部門と業務部門は社内で真の戦略的パートナーシップを構築することに集中し、これまで以上に緊密なコラボレーションを実現しなければなりません。

 

ITのリーダーシップについて、Dell EMCのAPJ担当CIOであるヘマル シャア(Hemal Shah)は、このパートナーシップ アプローチの発展に対する見解を的確にまとめています: 「規模が大きな企業では小規模で自己充足的な専任チームが出現しており、イノベーションに焦点を当てた活動を展開するとともに、アプリケーション開発者やデータ サイエンティスト、またIT部門で他の役割を担っているスタッフに、上級役員と連携して新たな機会を認識するための機会を提供しています」。

 

テクノロジーが進化を続けていく中で、企業は将来出現するトランスフォーメーションの大きな課題に対処できる十分な効率性と俊敏性を確立してメガクラウドの基盤を構築するために、今日、緊密なコラボレーションを構築することに集中する必要があります。

 

新たに出現しているさまざまなテクノロジーは、私たちの生活に信じられないような数多くの変革をもたらすでしょう。このような未来を現実化する上で、クラウドは欠かすことのできない重要な役割を果たします。私たちがクラウドを利用する方法は、急速に変化しつつあります。これらの新しいテクノロジーから真の価値を引き出すためには、このような進化と適切な文化を対にして組み合わせる必要があります。コラボレーションに重点を置くことによって、APJ地域のビジネス リーダーは、それぞれの企業組織をデジタル トランスフォーメーションに向けたより円滑でより高速な軌道に乗せることができるでしょう。

【全6回シリーズ4/6 新時代のデータ保護】

ITジャーナリスト 大西高弘

 

数年前からITセキュリティの世界で「複合防御」という言葉が頻出するようになってきた。何を「複合化」するのかというと、「マルウェアなどのセキュリティ侵害を遮断する」という手法と、「侵入された場合に被害を最小限に食い止める」手法を合わせて対策をとるということだ。何が何でも水際でシステムを守る、という発想では、セキュリティ対策としては万全とはいえない、ということは、かなり以前から専門家の間で言われてきたことである。

 

そんな矢先、ランサムウェアの被害が世界中で報告されるようになり、日本企業にも被害が出た。ランサムウェアは、OSなどの脆弱性をついてシステムに侵入する、という点では従来のマルウェアと変わらないが、データをコピーして盗みだすということはしない。データを暗号化して乗っ取り、復号キーと引き換えに金を出せ、という手法を使う。

 

しかし、言い方は悪いがこのやり口ならまだましだ。金さえ払えばデータは復号できる。もっと悪質なのは、結局金銭を払っても復号キーを渡さなかったり、中には、金銭の要求も何もせず、ただデータを破壊してしまうだけのケースや、復号手段がない暗号化をしまうケースも出現しつつある。つまり、愉快犯のような攻撃者もいるということだ。

 

サイバー犯罪者の中には、ある種の思想信条の下に攻撃相手を定めて悪事を働く者もいるようだが、それだけではなく、金銭を詐取するという目的もなく、ただ世間を騒がせたいというタイプもいる。しかも、特別なスキルがなくてもマルウェアを入手して、改良を加えてどこかに侵入させる、というケースもある。

 

ランサムウェアの「流行」のせいで、データを乗っ取り、破壊するという行為をもっと高度な技術を使って行う攻撃者も今後出てくるだろう。

 

いまの時代、企業の重要なデータは、紙で記録されていない。ほとんどが電子化されている。すべて丸のみされてしまえば、その瞬間から会社はすべての機能がストップしてしまう。

 

●「ランサムウェア対策にはバックアップしていれば大丈夫」というのは昔の話?

 

「複合防御」の考え方からすれば、ランサムウェアに侵入されてしまったときの対策をどう打つかがポイントになる。本番データが乗っ取られても、バックアップデータから復旧、またはDRサイトへ切り替えての運用をすればビジネスは継続できる。

 

しかし、この方策も実は危うい、ということが分かってきた。最近では、攻撃者は先回りしてバックアップデータやDRサイトから先に乗っ取り、あるいは破壊する手口を使うようになってきたからだ。

 

では、どうすればいいのか。

 

データ保護ソリューションに詳しい、Dell EMC(EMCジャパン株式会社)DPS事業本部 事業推進部 シニア ビジネス ディベロップメント マネージャー の西頼大樹氏は、次のように話す。

 

「まず、データの乗っ取りを防ぐには、バックアップデータへのアクセス方法を複雑・堅牢化することで、侵入「検知」から「対応」までの間、乗っ取られるリスクを抑えること。そして、データそのものを、外部からアクセスしにくい場所(条件下)に置くことです」

 

狡猾な攻撃者は、システムに侵入するとまずその全体像を把握し、バックアップデータなどの復旧手段のありかを探し当て、システム管理者に成りすますなどして、データにアクセスする。誰か1人のアカウントを乗っ取ればバックアップデータに簡単にアクセスできる体制を変え、複数の承認を得ないとデータそのものにアクセスできないようにすることで、簡単にはデータを破壊・暗号化してしまうことはできない。

 

また、バックアップデータの格納場所が常にネットワークでつながっていることは、攻撃者にとってこれほどいい環境はない。そこで、最後の砦となるバックアップデータは、やり取りをするときだけネットワークにつながり、普段は、遮断されている環境に置いておけば、リスクは大幅に軽減されるというわけだ。

 

西頼氏は、ある海外の海運会社の例を話す。

 

「その会社は大手の海運会社で、貨物管理に関わる本番システムだけでなく、バックアップデータのあるDRシステムも乗っ取られてしまいました。世界中の海で船に積んでいる荷物を一体どこに運べばいいのかもわからなくなってしまったんです。しかし、複数あるDRサイトのうち1カ所だけ、システムメンテナンスのためネットワークから遮断されていて、乗っ取られていなかった。そこでそのデータを使って事なきを得たということです。」

 

偶然とはいえ、まさに不幸中の幸いで、その会社はビジネスを復旧できたのである。ただ、このような規模のビジネス危機に直面することを考えた場合、「幸運」に頼る企業はいないはずだ。

 

●バックアップはあくまで手段、「サイバー復旧」の発想こそビジネス継続の要

 

昨今、ランサムウェアの被害が注目されているが、セキュリティ侵害はそれだけではなく、外部、内部からのさまざまな攻撃によって起こされる。「ランサムウェア対策にはデータバックアップ」という観点だけで対策を考えていくのではなく、もっと広い視野からセキュリティ対策を打つべきなのだろう。

 

「国内外の専門機関からは、ITセキュリティのフレームワークに、Recovery(復旧)という発想が重要だというメッセージが出されています。現にセキュリティの専門家がその動向をもっとも注視している米国国立標準技術研究所(NIST)は、サイバーセキュリティのフレームワークにおいて、『復旧』という機能を5大重要施策のひとつとして位置付けていますし、他の同様機関から同じようなメッセージが出始めています。」(西頼氏)

 

Dell EMCでは、すでに2015年からこの「サイバー復旧」に関するソリューションに力を入れているという。

 

まず、前述したバックアップデータへのアクセス方法を複雑化することと、データそのものを、外部からアクセスしにくい場所に置くこと、については、すでに同社ではデータ保護ストレージ「Dell EMC Data Domain」で実際に提供している。

 

アクセス方法を複雑化は、もともとData DomainにはRetention Lock機能というものがあり、これで実現できる。データの改変に関してのみ、システム管理者よりも高い権限を持ったセキュリティ管理者を複数名設定し、たとえシステム管理者、あるいはシステム管理者がアクセスを認めた人物がバックアップデータにアクセスしようとしても、そのセキュリティ管理者が認めなければ、誰もデータにアクセスや変更ができない仕組みだ。また、一度保存されたデータの閲覧はできても、改ざんできないようにすることも可能だ。

 

さらにアクセスしにくい場所にデータを置きたいというニーズについては、「エアギャップ」という仕組みがあり、Data Domainを活用してグローバルで100社以上の企業が導入している。「エアギャップ」自体は米国連邦金融検査協議会(FFIEC)が提唱したデータ転送時のみネットワーク接続を限定させる機能で、普段は利用企業のネットワークからは隔離されている。

 

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※データギャップ機能の仕組み

 

「エアギャップ機能を使っても理論的には、転送時に攻撃を受ける可能性はあります。ですから、転送時間をできるだけ短くすることが大切です。Dell EMCがData Domainを前提とした理由はそこにあります。優れた重複排除機能が、転送するバックアップデータを重複排除された差分データに限定することで、接続時間≒転送時の攻撃リスクを極小化します。ケースバイケースですが、大規模なデータをバックアップしているユーザーでも、転送は一回に数分、数秒ということがほとんどです。」(西頼氏)

 

また隔離する仕組みを持つことで、隔離したData Domain内のデータを活用し、サイバー脅威に対する攻めの施策を検討することも可能になる。健全なデータの堅牢な保管・蓄積もさることながら、隔離されたバックアップデータを使い、最低限の再現環境を配備したうえでのサイバー災害対策テストの実施、隔離されたデータをオフラインでセキュリティ担当に、侵害の兆候や感染の有無を調べるテストデータとして提供することなど、応用できる範囲は多彩だ。

 

またDell EMCのテクノロジーを使うと、この仕組みを作るプラットフォームにパブリッククラウドを活用することも検討できるのがさらなるメリットだ。中核となるData Domainは、AWSやAzureでネイティブに動く仮想アプライアンス版を持っている。つまり、エアギャップで隔離するデータをクラウドに保存するという方法も検討できるのだ。また、隔離データとは別にクラウド内のData Domainアプライアンスを使ってデータの健全性を確認し、確認できたらデータを消去する形でのテストなど、低コストで「最後の砦」ともいうべきデータの健全性を保つことができる。

 

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※クラウドを活用したバックアップデータの隔離

 

●大規模なバックアップデータをどう生かせばいいのか

 

「Retention Lock」や「エアギャップ」の機能を使った仕組みは、Data Domainでないと構築できない、というわけではない。しかし、Data DomainベースのCyber Recovery Solutionであれば、標準機能を活用することが前提となっているので、余分な構築作業などにコストをかけることなく、導入してすぐに利用開始できると西頼氏は話す。

 

「Data Domainは重複排除機能を世界で初めて備えたバックアップストレージです。もちろん、重複排除率は他社製品と比較してもトップクラス。エアギャップのメリットを最大化するには、バックアップデータの転送時間を可能なかぎり短くすることが必要なので、重複排除が重要なのです」(西頼氏)

 

バックアップデータを隔離した環境に置く、というならテープなどの別媒体を使うという手段も考えられるのではないか、と少しいじわるな質問をしてみると、西頼氏は次のように話してくれた。

 

「隔離した環境に置く、という意味でなら、そうした方法も否定するものではありません。しかしテラバイト、ペタバイト単位のデータを別媒体にとって置くという場合、果たしてそれが安全かどうか。テープ管理作業の工数負荷も考えなくてはいけないし、紛失、盗難などの心配も出てくる。それからテープには常に、メディア規格への追随や、データ自体が劣化してしまうリスクが付きまといます。そしてなによりも、そうして保存したデータを使って復旧する場合、いったいどれくらいの時間でビジネスを再開できるのか、ということも考えておくべきでしょう」

 

確かにサイバー復旧は、それが可能かどうか、だけではなく、どれくらいの時間でできるのか、ということも重要な要素だ。ディスクベースでの復旧がテープより速いのは想像がつくが、Data Domainを使えば、標準でDIA(非脆弱性アーキテクチャ)という自己修復機能が備わっているので、テープやディスクにおけるデータ破損など、リストアを実施した時にはじめて復旧できないことが判明するといった事態の事前防衛もできているという。

 

  

 

これまで、企業や組織・団体のIT担当者は、主として「このデータが盗まれたら」と考えてデータ保護関連のセキュリティ施策を講じてきた。しかし、これからは同時に「このデータが利用不可能にされたら」というケースも想定しなくてはならなくなった。

 

データを盗まれることは、損害賠償しなくてはならないこともあり、大きな損失だ。しかし、それ以上にデータが利用不可能にされることは「最大の悪夢」といえるだろう。ビジネスを動かすことができなければ、会社の存亡にかかわってくる。西頼氏によれば、海外の企業の中には、データを破壊されたことで、発覚してから数時間で倒産したケースもあるという。

  

そのような時代に入り、各ITベンダーもセキュリティについて新しいアプローチをとりつつある。たとえばDell EMCはDell Technologiesグループの一員だが、セキュリティ分野においては、同じグループ内のRSA、SecureWorksといった専業組織の技術を統合し、エンドポイントからバックアップまでデータ保護ソリューションを総合的に提供する体制を整えている。

 

ユーザーが求めるのは、オンプレミス、クラウドの区別なく効果的な「複合防御」を実践できる仕組みだ。どんな新手のサイバー攻撃が登場しても、ビジネスの継続は担保したい。その意味で、今後、「サイバー復旧」という視点は、ITセキュリティの分野でますます重要なものとなっていくだろう。

 

  

【シリーズ:新時代のデータ保護】

1回:DellEMCDNAを融合させたData Domainシリーズの最新版「Data Domain DD3300」の魅力とは?

2回:最新のデータ保護アーキテクチャを適正なコストで構築するための秘訣

3回:今後、データ保護ルールの新デファクトスタンダードになる可能性もあるEU一般データ保護規則(GDPR)

4回:サイバー対策の最新トレンド「サイバー復旧」とは何か?

5回:近日公開予定

6回:近日公開予定

【全6回シリーズ3/6 新時代のデータ保護】

2018年5月25日から施行されたEU一般データ保護規則(GDPR)。EU圏内の企業と取引のない日本企業の多くは「それほど影響はない」ととらえられていることが多い。しかしGDPRは、EU企業だけでなくEU市民の個人情報も保護対象としており、違反企業に対する罰金も日本国内のルールよりもはるかに高い。そうなると国内の旅行・観光企業や医療機関、ネットサービス企業なども「対岸の火事」とはいえなくなる。今回は、施行後のGDPRがビジネスにどのような影響を及ぼすのかについて、Dell EMCの2人の専門家に聞いてみた。

 

Alex Lei

Dell EMC

VP,Data Protection Solutions,APJ

 

Yeong Chee Wai

Dell EMC

Dirctor,Head of Presales

Data Protection Solutions,Asia Pacific&Japan

 

 

2018年5月25日からEU一般データ保護規則(GDPR)が施行されました。GDPRは、EUに拠点を持つ企業だけでなく、EU圏外であってもEU市民の個人データを扱いビジネスをしている企業や組織さえ適用範囲とされます。

 

GDPRそのものについて基礎知識がある人は少なくありませんが、例えば、EUから日本にやってきた旅行者の個人情報についても、GDPRの適用範囲であるということはあまり知られていません。

 

「GDPRは、欧州企業と取引のある企業が対応するもので、うちはそういう取引はないから大丈夫」と考えている企業関係者は多いようですが、EUに居住している人の個人情報も対象になるため、ECサイトや国内ビジネスなどでも個人情報を扱う場合は、要注意です。

 

EU諸国から日本にやってくる観光客は年々増加しています。また、日本企業のITサービスを利用するEU居住者も多いはずです。GDPR施行後は、おそらく個人情報の取り扱いについて、日本でビジネスをする企業でさえ、これまで以上に詳細な説明を求められる可能性があります。

 

このときに「日本ではこういうことになっているから」とか「ほかの外国人の人たちにはそこまで説明していない」といったローカルルールは通用しません。個人情報の保護について、さまざまな質問に対して素早くわかりやすい形で説明でき、納得してもらわなくてはなりません。

 

例えば、EU居住者が日本で病気になり、診療を受けた場合、本人の個人情報が記録されることになりますが、この場合でも、対象になりえます。つまり一般の企業ではない法人や組織さえGDPRの対象になるのです。

 

●GDPRに組み込まれている「right to be forgotten」

 

GDPRで特に注目されるのが、その罰則規定です。違反があった場合、罰金の額がグローバルの売上高の4%にもなることがあります。GDPRの中身が明らかになるにつれ、米国をはじめ、オーストラリア、シンガポール、香港など欧州との取引がさかんな国、地域で関心が高まり、対策が講じられてきました。日本では、現在でも一部の企業、業界でしか関心が高まっていないように見受けられます。

 

もちろん、日本にも個人情報保護法をはじめ、さまざまなデータ関連の規制はあります。しかしGDPRでは、right to be forgotten(忘れられる権利)も組み込まれているので、「保存しているデータを削除してほしい」と依頼されれば対応しなくてはいけません。

 

つまり、安全にデータを保管するだけでなく、たとえ古いデータであっても、迅速に検索して見つけ出し、削除し、その証跡を提示できなくてはならないのです。

 

日々増え続けるデータを管理するだけでも大変なのに、たとえば5年前に取得した個人データを探し出し、削除するというのは、もし全保管データから迅速に検索する仕組みを持っていなければ、かなり骨の折れる作業となるでしょう。

 

もし、「個人情報を削除してほしい」というEU居住者からの依頼に、時間が経過しても対応できなければどうなるでしょう。GDPR規定に基づく罰則という直接的な制裁に加え、SNSで対応の不備について拡散される可能性もありますし、訴訟を起こされる可能性もあります。

 

●EUだけでなくグローバルで広まる可能性

 

わたしたちは、データ保護に関する専門家として日本を含むアジア太平洋地域で仕事をしています。その専門家たちの間では、GDPRが、事実上データ保護規制の新しいグローバルスタンダードとして、広く適用されるようになるのではないかという考え方が、一般的になってきました。

 

このような考え方が、施行される前の段階から広がりつつあるというのは、珍しいことかもしれません。しかし、GDPRでEU居住者の個人情報が守られるのなら、全世界の人たちの情報も同様のルールで守るようにしてほしい、という声が生まれるのはごく自然な流れだと思います。

 

日本でも、個人情報についてGDPRに準じた考え方や判例が今後出てこないとも限りません。IDC社の調査では、日本を含むアジア太平洋地域において、日本はプライバシー侵害に対する罰則の重さが2番目に低い国とされています1。ローカルルールを基準としていると、GDPR施行後の個人情報の漏えい事案などでの賠償額は、これまで以上に、想定を超える大きなリスクになると考えられます。

 

GDPRで扱うのは個人情報だけではありませんが、重要なファクターであり、最も関心を集めている分野です。今後、欧州企業との取り引きの有無にかかわらず企業全般で、GDPRへの対応が求められるようになるでしょう。

 

Dell EMCでは、国内だけでなくグローバルでGDPRへの対応についての最新情報を集め、お客様に正しいデータ保護の指針を策定するお手伝いができるよう体制を整えています。

 

GDPRのルールが広まっていく時代では、データをただ保護するだけでなく、迅速にコントロールできる能力がますます重要になってきます。企業だけでなく、人の交流も対EUでは活発化していくことでしょう。組織の規模にかかわらず、あらためて、データの活用プロセスをリスクの側面から見直す必要があると考えます。

 

《取材雑感》

データ保護に関する専門家によれば、GDPRはEU圏内に籍を置く企業・個人についてだけでなく、事実上、データ保護に関するグローバルスタンダードとなる可能性があるという。ということは、国内企業同士の取引においてもGDPR準拠のデータ保護体制が求められるようになることは必至だ。今後は、そうしたことを踏まえ、社内システムのデータ保護ルールおよびポリシーを再点検する必要が出てきそうだ。

 

聞き手・構成 ITジャーナリスト 大西高弘

 

 

注1:IDC Data Risk Management Barometer 調査
barometer | Dell EMC Japan

 

【シリーズ:新時代のデータ保護】

1回:DellEMCDNAを融合させたData Domainシリーズの最新版「Data Domain DD3300」の魅力とは?

2回:最新のデータ保護アーキテクチャを適正なコストで構築するための秘訣

3回:今後、データ保護ルールの新デファクトスタンダードになる可能性もあるEU一般データ保護規則(GDPR)

4回:サイバー対策の最新トレンド「サイバー復旧」とは何か?

5回:近日公開予定

6回:近日公開予定

【全6回シリーズ2/6 新時代のデータ保護】

 

社内データの保護はセキュリティとバックアップ製品を導入するのが基本。しかし、クラウドを活用してコストを最適化し、さらに万が一の災害、サイバー攻撃備えて迅速なリカバリ体制を整え、日常業務でのデータ活用もスムーズに実行できるようにするには、それだけでは足りない。日々増加し続けるビジネスデータの保護は、コストと可用性の両方を高いレベルで満たさなくてはならない時代に入ったのである。では具体的にどのように考え、施策を練っていけばいいのか。今回は、データ保護の最前線でユーザーの声に耳を傾け、ベストプラクティスを提案し続けている2人の専門家に話を聞いた。

 

 

Alex Lei

Dell EMC

VP Data Protection Solutions, Asia Pacific&Japan

 

Yeong Chee Wai

Dell EMC

Director Head of Presales

Data Protection Solutions, Asia Pacific&Japan

 

 

わたしたちは、Dell EMCのデータ保護ソリューション部門で、主に日本を含むアジア太平洋地域のお客様にソリューションを提供させていただいています。

 

データ保護、というと従来はバックアップ(データの複製処理)と同義語のようにとらえられていましたが、現在では、リカバリ(データの復旧)を最重視したソリューションとして考えられるようになっています。

 

この考え方は、かなりお客様にも浸透してきているとは思うのですが、まだまだ誤解されている部分も多いのです。その最大のものが、コストです。

 

従来のバックアップ主体のデータ保護から、リカバリを最重視したソリューションへと移行するには、アーキテクチャそのものを変更する必要が出てきます。その際のコストについて莫大な額がかかる、という誤解があります。

 

年々増加するデジタルデータに対し、サイバー攻撃や人的操作ミス、ハードウェアの故障などにより喪失してしまうことを、コストを低減させながら防ぐことは、実は可能です。

 

Dell EMCでは、2年から4年のROIを示しながら、適正なコストで高度なデータ保護を実現することが可能なことを、お客様への提案のなかでお伝えしてきています。

 

●ビジネスの「燃料(Fuel)」であるデータをどう安全に利用するか

 

今や、デジタルデータは企業にとってビジネスを動かすうえでの「燃料」のようなものです。店舗や事業所を持たず、モバイル経由でデータを活用したビジネスを展開している企業も出てきました。もちろん、そうした企業だけでなく、長い歴史を持つ企業も、どんどんデジタルデータを活用した新しいビジネスを起こし、成果を上げています。

 

そうした中で、もし、そのデータがサイバー攻撃によって利用できなくなったらどうなるでしょうか。

 

ある海運会社では、サイバー攻撃を受け業務がストップし、船の運航そのものができなくなりました。受けた被害は計り知れないものがあります。そしてこのような事例は、決して珍しいものではありません。

 

サイバー攻撃によって、顧客情報が盗まれるという事案もまだまだありますが、データそのものを失うことによって、日常業務を停止せざるを得ない、という時代になってきているのです。データの喪失は、サイバー攻撃だけが原因になるとは限りません。データを運用している社員による誤操作で起きることもありますし、システムを支えるハードウェアやアプリケーションが原因で起きることもあります。

 

わたしたちは、サイバーセキュリティだけでなく、あらゆる側面からデータ保護についてのベストプラクティスを提供することを使命としています。

 

●あらゆるリスクを考慮に入れたリカバリを目指す

 

データが失われたとしたら、バックアップしていたデータを利用して復旧しなくてはなりません。しかし、この復旧もさまざまな課題があります。

 

Dell EMCが独自に行った調査1では、日本のIT部門の意思決定権者はデータの復旧について明確な自信がなかなか持てない(「完全な自信あり」回答は1割未満)、という結果が出ていました。しかし、これは日本企業だけに限られたことではないのです。

 

データを喪失または破壊前の時点に戻って、迅速にビジネスを復旧するということは、その実現を支えるソリューションを構築していなければ簡単には実行できません。

 

いま、わたしたちは、多くの日本のお客様と最適なデータ保護についての議論を重ねています。そうしたお客様は、サイバー攻撃、人的ミス、自然災害などあらゆるリスクを考慮に入れ、データを最適な時点(RTO)に、最適な時間内(RPO)でリカバリできる体制を構築することを目指しています。

 

Dell EMCでは、Dell Technologies(デル テクノロジーズ)グループ企業とDell EMCのこれまでの技術力を、完全に統合して、お客様のニーズにさらに的確に対応できるようになりました。これは何を意味するのかというと、ストレージ単体に限らず、ハードウェアやアプリケーションも含めて、データ保護ソリューションが一体的に対応できるということです。

 

●クラウド時代に適応したデータ保護ソリューション

 

ハードウェアやアプリケーションも含めた、一貫したデータ保護ソリューションを提供するということは、クラウドについても当然適用されます。

 

まずプライベート、パブリック、ハイブリッドといった、クラウドの多様なスタイルにも対応します。そして、オンプレミスのシステムからデータを移行する際にも、常時暗号化した状態で実行することを可能にしています。これはクラウドとクラウドの間でも同様です。セキュアな状態で、迅速にデータを自由に移行するためのソリューション群を整えました。

 

データの保護、復旧をしやすくするには、管理手法を簡素化しなくてはなりません。もちろんそのためのソリューションも提供しています。高度な検索性を持ち、削除などの操作も安全に実行できるようにすることで、データ保護、復旧の能力も格段に上がっていきます。

 

また、パブリッククラウドをDRサイトとして利用するお客様が増えてきました。そこでDell EMCでは、2017年にクラウド災害対策ソリューションData Domain Cloud DRを発表しました。このソリューションは、通常のデータ保護システムの延長線で、オンプレミス上のVMware仮想マシンを、AWSのEC2インスタンスへ自動的に変換、移行することを可能にします。

 

●クラウドに関する誤解とリスクを理解する

 

クラウドとデータ保護、ということでは、まだまだ誤解されている部分も多々あります。とくにパブリッククラウドでは、セキュリティについてデフォルトで全面的保護されると考えがちです。しかし、現実には利用者側がセキュリティおよびデータ保護の措置を取らなければならないケースが多々あります。

 

例えば、パブリッククラウド上で企業独自のアプリケーションを構築、運用するケースがあります。このときの不具合によってデータが損失したりしても、それはクラウド提供事業者ではなく、ユーザーの自己責任で復旧しなければならないケースがほとんどです。

 

つまり、「うちはクラウドにデータを預けていて、セキュリティも事業者に任せているから大丈夫だ」「アプリケーションの不具合も事業者の責任」ということにはならないのです。

 

クラウド時代のデータ保護は、やはり、利用者である企業がしっかりと手当しなくてはなりません。その際は、ぜひ、リスクベースのアプローチで具体的にどのような保護策を実施するのかを利用者がクラウドを使う上で、使う前に考えておくべきでしょう。

 

●攻めのビジネス戦略に「データ保護」を取り入れる

 

今後は、多くの企業がオンプレミスのシステムとプライベートクラウドを連携させ、そのうえで、パブリッククラウドの活用を進めるという、ハイブリッドクラウドの運用が主流となっていくでしょう。

 

こうしたシステム運用で何が起きるのか。まず考えられるのは、扱うアプリケーションの増加です。そしてこれらのアプリケーションの大半は、保有するビジネスデータと連動して機能します。

 

前述したように、多くのアプリケーションがデータと連動するため、そのデータが失われると、またたくまにビジネスに多大な影響をもらしてしまうのです。

 

そして、多数のアプリケーションによってデータの運用自体も複雑化し、バックアップや復旧も複雑化します。こうしたことを念頭に置いたうえで、最適な保護施策を適用し、迅速な復旧を実現するには、ただセキュリティソフトやバックアップソフトを導入するだけでは、問題解決になりません。

 

Dell EMCでは、このような個々のお客様のシステム環境の課題を多角的に判断したうえで、最適なデータ保護ソリューションを提案しており、価格面からも評価をいただいています。それを裏付けるグローバルも含めた多数の事例がそれを証明しています。

 

データ保護は決して守りの施策ではありません。ビジネスの「燃料」であるデータを最大限に生かし、厳しい競争にうちかつための攻めの施策という側面もあるのです。そのことを踏まえたうえで、Dell EMCの提案を参考にしていただければと思います。

 

《取材雑感》

「データドリブンでビジネスを動かしていく」というコンセプトは、数年前から提唱されてきたが、2人の専門家の話を聞いているとまさにリアルなビジネスにおいてデータドリブンの時代が本格化してきたのだと実感した。そのような時代においては、データはビジネスの燃料であり、それを守り、効率的に利用するには、目的ごとに製品を導入するだけではなく、システムアーキテクチャ全体から最善手を導いていく考え方が必要になる。最適なデータ保護体制の構築は「攻めの経営」にもつながるという意見はまさに卓見といえるだろう。

 

聞き手・構成 ITジャーナリスト 大西高弘

 

 

 

注1:Dell EMC Data Protection Index
https://www.emc.com/microsites/emc-global-data-protection-index/index.htm

 

 

【シリーズ:新時代のデータ保護】

1回:DellEMCDNAを融合させたData Domainシリーズの最新版「Data Domain DD3300」の魅力とは?

2回:最新のデータ保護アーキテクチャを適正なコストで構築するための秘訣

3回:今後、データ保護ルールの新デファクトスタンダードになる可能性もあるEU一般データ保護規則(GDPR)

4回:サイバー対策の最新トレンド「サイバー復旧」とは何か?

5回:近日公開予定

6回:近日公開予定

【全6回シリーズ1/6 新時代のデータ保護】

 

Dell EMC EMCジャパン株式会社 DPS事業本部 事業推進部 

シニア ビジネス ディベロップメント マネージャー

西頼大樹

 

2017年10月に公開された「ブレードランナー 2049」という映画では、全世界の電子データが喪失、または破壊されてしまった世界が描かれていました。そのため主人公は、わずかに残されたデータをもとに仕事をしなくてはいけません。

 

現実の世界ではまだ幸いにもこのような大規模なデータ損失は起きていません。しかし企業や組織単位で見てみると、データがしっかりと保護されていないため、有事の際、適切な過去データを探し出すことができず、ビジネスが遅滞してしまった、あるいは、監査などへの対応が大幅に遅れてしまった、ということは、残念ながらそれほど珍しいことではありません。

 

ある時点で、どのデータが、ビジネスやサービスを提供する上で最適かを把握することは、業務を遂行する上できわめて基本的ですが、最も重要な問題です。災害、大規模なシステム障害、セキュリティ侵害などデータ損失の原因は様々ありますが、万一データ損失が発生したときも、顧客への影響が最小または無い適切なデータを使ってすぐにビジネスを再開できる、ということが、企業や組織にとっての信用に大きく影響します。

 

そのために、現代の企業や組織では、デジタルデータのバックアップ作業が欠かせません。日常業務に利用する資料用のデータからWebコンテンツデータ、そして販売実績などの財務データ、利益の根幹をなす情報資産データ(開発情報、設計図面、等々)、顧客データ、データベースシステムに記録された最新データなど、保存しておかなくてはならないデジタルデータは、種類、量ともに年々増加の一途をたどっています。

 

また、昨今システムの仮想化が常識となってきました。仮想化は、ITのビジネス対応を促進し、モバイル活用などにも欠かせないソリューションとなっていますが、バックアップデータの容量を飛躍的に増加させる一因ともなっています。仮想マシンや、そこから生成されるデジタルデータの増加によってバックアップの時間が大幅に延び、業務にも支障が出ることが増えてきた企業も散見されるようになったため、バックアップ問題の解決が急がれるようになっています。

 

●バックアップ専用ストレージとして高い評価を持つDell EMC Data Domain

 

このような時代におけるバックアップの課題は、時間とコストです。

 

年ごとのデータ増加量の伸び率から、バックアップに必要な時間とそれに必要なストレージやネットワークなどのコストを換算すると、数年先には今のシステムの状況では現実的な対応ができない、という企業がここ数年大幅に増えてきました。

 

このようなことを背景に、Dell EMC Data Domain(DD)は開発されました。DDは、高い重複排除能力を搭載したバックアップ専用ストレージで、既存のバックアップ環境を変更することなく導入できる製品です。

 

重複排除機能とは、事前に対象データの重複部分を判定し、重複しないユニークな部分しか実データとして扱わない圧縮技術です。そのため、バックアップのデータ量を平均10分の1から30分の1程度に低減できます。これにより、バックアップに必要な時間もストレージやネットワークなどのコストも両方節約ができるのです。

 

DDは発売以来、多くのお客様から支持されてきました。その理由は、データ保護のスペシャリストであるDell EMCならではの技術が投入されているからです。例えば、重複排除機能1つとっても「可変長ブロック単位」を採用し、より多くの重複部分を探し出すことを可能にしています。また、独自ソフトウェア(DDBoost)によって、アプリケーション側にて、重複部分を探し出す機能を分散させることで、より迅速に処理できるようにしています。

 

また、DDをお使いのお客様からは、レプリケーションを簡単に設定でき、正確に実行できるという評価をいただいています。自動でデータ転送することはもちろん、複数のDD、複数のクライアントからレプリケーションされたデータをまとめて重複排除することができるので、レプリケーション先で集約保管するバックアップデータの容量をさらに少なくすることが可能です。また、回線の帯域制御機能によって、最適な方法でデータ転送を実施することができるため、他の業務に支障をきたすということも避けられます。

 

●これまでにない機能を追加したDD3300

EMCは2015年、「Dell EMC」として再スタートを切ることになりました。そして2018年3月、DDのラインアップに「Data Domain DD3300」(DD3300)が加わることになりました。

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※DDシリーズのラインアップ(2018年5月現在)

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※DD3300とDD2200との性能比較

 

 

 

DD3300は、現DDラインアップの最小モデルであるDD2200と同じエントリーモデルに位置付けられます。4TB、16TB、32TBの3つの導入オプションが用意され、中堅企業や大企業の拠点で利用しやすい価格に設定されています。

 

DD3300は、前述してきました機能を継承したうえで、よりユーザー本位の機能を追加しています。大きな変化はクラウド対応です。

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※ITにおけるクラウドの動向

 

昨今、多くの企業でバックアップデータ用途にパブリッククラウドサービスを利用するという方法が採られるようになってきました。そこでDD3300でも、レプリケーション先や長期保管データの階層化先などにクラウドを要望されても対応できるようにしたのです。これにより、事前設定に基づき、自動的にクラウドをバックアップ目的で活用することができ、また、高い重複排除機能により、クラウド保管に必要なクラウドストレージコストを抑え、データをリストアする場合も迅速かつ低コストで実行することができます。

 

とりわけバックアップにクラウドを利用するというのは、利用頻度の少なくなった過去のデータを長期保管したいというニーズが多いですが、災害対策(DR)に利用するという目的もあるでしょう。いずれにせよ、クラウドを利用する場合でも、データ量が増加すれば、コストはかさんできます。従って、保存するデータは少なければ少ないほうがいい。DD3300は、ユーザーのクラウドコストを最小限にするという意味でも、大きなメリットを提供できます。

 

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※クラウド対応の概要

 

Dell EMCでは、2017年にクラウド連携型災害対策ソリューションData Domain Cloud DRを発表しました。このソリューションは、オンプレミス上のVMware仮想マシンを、AWSのEC2インスタンスへ自動的に変換し、立ち上げる仕組みを持っています。DD3300は、エントリーモデルながら、Data Domain Cloud DRを実装しているため、クラウドを活用した災害対策が可能となりました。

 

もちろん、DD3300同士でレプリケーションを行うことも可能です。従って、日常のバックアップと遠隔地保管はオンプレミスで実施し、万が一の事態にも対応できるよう、DR対策としてクラウドも効率的に利用するという体制を組めます。

 

●最高レベルの費用対効果を提供しデータ保護の課題を解決

 

DD3300の魅力はこれだけではありません。DD3300はハードウェアとして優れた面を持っています。

DD3300は、Dellで培われた技術を移植した、DDラインアップ初の“Dell EMC”モデルです。Dellは、PowerEdgeに代表されるサーバプラットフォームの開発を長年行っており、DD3300にはそのノウハウがふんだんに投入されています。その技術・ノウハウを活かし、性能を最大限発揮できるよう設計され、2Uの小型堅牢な製品に仕上げました。

また同時にセットアップ作業の簡素化も実施。どの程度簡単なのか、それは以下をご覧いただくことでお分かりいただけると思います;

・Data Domain DD3300 初期設定

 

・Data Domain DD3300 セットアップの仕上げとカスタマイズ

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※ハードウェアとしてのDD3300の魅力

 

製品内部もDellサーバプラットフォームの代名詞とも言える、これまでにない洗練された作りとなっており、従来のDDユーザーのお客様が内部を見られると、その変貌ぶりに驚かれるであろう改良が数多く施されています。まだ、実物に触れていないのであれば、ぜひ手に取ってごらんになることをお勧めします。

 

このように様々な新しい取り組みによって開発されたDD3300は、7.0TB/時(DD Boost 使用時)という従来の1.5倍の性能と、クラウド活用時の最大論理容量が最大4.8PBという拡張性を実現しました。

 

ここまでご説明してきたことを踏まえると、DD3300は、エントリーモデルのストレージアプライアンスとして、歴代のDDラインアップと比べ、一線を画すモデルだということがお分かりになると思います。まさにDD3300は、EMCとDellそれぞれのDNAの良い部分を融合させた製品なのです。

 

データ保護におけるバックアップの重要性は、中規模企業のお客様や大組織の各拠点のご担当者様にとっては新しい課題です。まさか自分の会社やチームでそのような問題が起きるとは予想もしていなかった、ということがほとんどでしょう。限られた予算の中で、いかにしてこの課題を解決していくのか、そうしたミッションに取り組む上で、DD3300は大きな援軍となるはずです。

 

 

 

 

【シリーズ:新時代のデータ保護】

1回:DellEMCDNAを融合させたData Domainシリーズの最新版「Data Domain DD3300」の魅力とは?

2回:最新のデータ保護アーキテクチャを適正なコストで構築するための秘訣

3回:今後、データ保護ルールの新デファクトスタンダードになる可能性もあるEU一般データ保護規則(GDPR)

4回:サイバー対策の最新トレンド「サイバー復旧」とは何か?

5回:近日公開予定

6回:近日公開予定

Dell EMCは、IDC社による最新の調査レポートを発表しました。Dell EMCIntel社の委託によりIDC社が実施したこの調査では、レガシー インフラストラクチャの隠れたコストITトランスフォーメーションが収益に与えるインパクトについて、2つのレポートで説明しています。

 

主な調査結果は次の通りです。

 

  • 平均でIT予算の3分の1が技術的負債に陥り、その規模は年間4,000万ドルにのぼる。本来であればビジネスに価値をもたらす使い方ができる
  • 調査対象となった企業は、インフラストラクチャをモダナイズ(最新鋭化)することでインフラストラクチャ コストの23%削減と計画外停止による生産時間ロスの73%減少を実現
  • IDC社は、調査対象企業がITトランスフォーメーション イニシアチブを進めることによって、今後5年間で1社あたり年間2600万ドルの収益増を実現すると予測

これらの結果は、CIO(最高情報責任者)とCFO(最高財務責任者)の関係がITトランスフォーメーションのビジネスへの成果に与えるインパクトを明らかにすることを目的に、Dell EMCForbes Insightsが昨年10月に発表した調査『IT Transformation: Success Hinges on CIO/CFO Collaboration』をベースにしています。この調査では、63%の調査対象企業が、CIOCFOがうまく連携できていない場合の最も大きなリスクは、競合他社に後れを取ることであると回答しています。一方で、CIOの基本的な役割に対するCFOの古い考え方が、両者の協力関係を阻害する要因になっていると回答しています。両者が良好な関係を築くためには、CIOITトランスフォーメーションの確固とした財務プランを策定し、CFOに提案する、ということでCIOCFOの両者が同意しています。IDC社による本調査レポートの詳細は、以下からご覧ください。

 

また、IDC社のディレクタであるジェニファー クック(Jennifer Cooke)氏は、ITトランスフォーメーションの経済的なインパクトを測定することがいかに重要かを以下のブログを公開しています。原文はこちらからご覧ください。

 

なぜITトランスフォーメーションの経済的インパクトを評価することがそこまで重要なのか ?

 

企業がITトランスフォーメーションに向けて一歩を踏み出すとき、その目標は、「ITの効率と効果を高め、より俊敏になり、イノベーションに対する自社のニーズをサポートする」という意欲的なものです。ほとんどの企業は、現在のプロセスを総点検すべきであること、またこのようなトランスフォーメーションを実現するために環境を刷新し足並みを揃える基盤となるプラットフォームがあることを知っています。その一方で、ITトランスフォーメーション(ITX)の経済的なインパクトを評価して測定する能力が、これらの取り組みの全体的な成功に大きく影響する要素であることは、あまり知られていません。

 

進捗状況を評価する上で、例えばダイエットのように「ビフォー」と「アフター」の写真は欠かせないツールであるだけでなく、しばしばこれらの写真は良い習慣を続けていくモチベーションとしての役割も果たします。これと同じように、企業のIT部門は消費や健康状態、位置、パフォーマンスなどへのリアルタイムの知見を提供するインテリジェントなインフラストラクチャへ、ますます高い信頼を寄せるようになるでしょう。

 

  多くの企業は、変化に対する社内の抵抗を克服するとともにプロセスの向上を実現することに多大な努力を払っています。最近

IDC社が実施した調査*では、46%の企業が、クラウドを最優先する自社の方針によってオンプレミスデータセンターへの投資が限られていると回答しています。パブリッククラウドが無条件に速い、安い、質が高いというイメージは一般的によくある誤解です。そこには、本当に速く、安く、質が高いITサービスを正しく識別する上で欠かせない、確かな情報に基づいてコストとパフォーマンスを評価するためのツールとプロセスが、大部分の企業にはないという視点が欠けています。このような理由から、企業がITリソースについて最適な判断をするためには、すべてのITオプションを把握して評価する能力が不可欠です。既存のデータセンター、サービス プロバイダが運用している施設、またすべてのエッジ データセンターにおけるITリソースの消費について、ITリーダーシップには新たな考え方を推進することが、かつてないほど必要とされています。このようなシフトへ適切に対応することが、社内全体を横断したより適切な調整と、変化を推進するIT部門の能力の向上につながります。

 

IDC社が最近実施した別の調査では、すでに大規模なITトランスフォーメーションを実行した企業への詳細なインタビューを行っています。この調査は、各社の経験から学ぶとともに、その経済的インパクトを評価することを目的としたものです。本調査で明らかになった重要な点は、技術的負債に関係するもので**、簡単には解消することができないこの負債はIT予算全体の32%を消費し、これがイノベーションを制限していることがわかりました。ITXがもたらすプラスの効果をわかりやすく見せながら改善すべき分野を明らかにしていくことは非常に有効な手段であるだけでなく、変化に向けたビジネスケースの構築をサポートしてくれます。

 

さらに、調査対象企業はITインフラストラクチャ コストが23%削減した一方で、セキュリティとソフトウェア開発を含むIT運用効率が35%向上したことを報告しています。このようにITXという「テコ」を活かして新たなワークロードを展開すると同時にコストを削減するスピードを速めることで、ビジネスの優先事項とより的確に足並みを揃えられるようになり、ひいては会社にとって信用できる信頼のアドバイザとしてのIT部門の位置づけを確立することができます。ダイエットに効果的な「ビフォー&アフター」の写真のように、ITXITにおける将来の投資へのモチベーションとなります。

 

 

*IDC MaturityScape Benchmark: Smarter Datacenter Facilities in the United States, 2018

**「技術的負債」: 企業にほとんどまたはまったく価値をもたらさないレガシーITの目に見えない隠れたコスト、トランスフォーメーションをしないことによるコスト

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