Dell EMC, APJC & EMEA,

シニア バイス プレジデント & ジェネラル マネージャー コンサルティング リード

フレデリック ドゥサール(Frederic Dussart)

原文:https://infocus.dellemc.com/frederic_dussart/learning-from-experience-why-and-how-to-make-it-transformation-faster-and-easier/


ITトランスフォーメーションは、限られたプログラムやプロジェクトではなく、絶え間ない旅路です。

International Data GroupIDG)社は、「CIOs Reveal IT Transformation Priorities and Successes」のレポートの中で、「ビジネス トランスフォーメーションの進化発展を推進するエンジンとして、ITトランスフォーメーションは今後も継続的に続いていくでしょう」と述べています。

 

企業が競争力を維持していくためには、常に「次のレベル」のITアジリティとコンピテンスが求められることから、この旅路はこれからも続いていきます。例えば、今日のIT部門は自社が5GIoTAI(人工知能)、マシンラーニング(機械学習)といった最新テクノロジーのメリットをフルに活用できるようにするために進化しなければなりません。

 

トランスフォーメーションの変革

なぜなら、ITトランスフォーメーションは永遠に終わることのない旅路で、IT部門はすぐに入手できる成果だけでなく、トランスフォーメーションのプロセス自体の質を高める部分に目を向けなければならないからです。

 

何千ものITトランスフォーメーション プロジェクトにおける経験 ―― またDell EMC VMware10年近くにわたる数百のITトランスフォーメーション ワークショップで収集した匿名化顧客データに対するIDG社の分析 ―― から、ITトランスフォーメーションの成功にとって最大の障害は技術的な要素ではなく、プロセスおよび人に由来することが分かりました。例えば…

 

ワークショップ参加者の96%が、次の必要性を認識しています。
1. 自社のテクノロジーとプロジェクトにフォーカスしたITチーム
2.ビジネスに最適な、高品質のサービスの開発と提供にフォーカスしたエンド ツー エンドのサービスが提供できる組織へと進化させる必要性。
ただし、77%が、社内の各チームは依然として横の連携がないサイロ状態にあると述べています。

 

CIO(最高情報責任者)と話をすると、自分たちが直面している最大の課題は自社の変化のペースを加速させることであるといつも耳にします。特に大企業の場合、「いつもこのやり方でやってきた」というメンタリティ、また柔軟性に欠けるポリシーやドメインのサイロなどが蔓延している状況が、期待する結果を手にする上で欠かせないオペレーションのトランスフォーメーションの足を引っ張っています。これらの課題に直接取り組まなければ企業はどんどん後れをとり、技術的負債だけでなく将来の変化をいっそう困難にする「俊敏性の負債」のようなものが蓄積していくことになるでしょう。

 

苦労の末に学んだこと

企業が変化を加速させるとともに、変化を吸収する能力を高めることを可能にする、実証済みの方法があるという、明るい話もあります。ここでは、私が数千のITトランスフォーメーション プロジェクトでお客様と取り組んできた経験と、Dell EMC自体のITトランスフォーメーションの経験から学んだ知見をご紹介します。これらの知見は、データセンターのモダナイズ(最新鋭化)からアプリケーション ポートフォリオの最適化ITサービスの提供DevOpsを含め、すべてのタイプのITトランスフォーメーションにあてはまります。

 

  • レッスン1ITトランスフォーメーションは常に多次元的であるということまた、複数の領域と作業チーム間で同期を取りながらすべてを同時に推進しなければならないということ。
  • レッスン2: すべての作業チーム、プロジェクト、プログラムには、ビジョン、モチベーション、スキル、また組織的な規範を超えて広げることができる権限を持った「変化の仲介者」が必要であるということ。

 

これらのレッスンを実際に適用することは簡単ではありませんが、いずれも必要不可欠なものです。どちらのレッスンについても、成功するかどうかはすべての人、プロセス、テクノロジーのピースを識別、理解して、管理統制する「メタ」能力にかかっています。

 

同期の取れた変化

複数の領域と作業チームを通じて変化を同時に推進することは基本です。これは、逐次的な変化では変化のペースへ追いつくには遅すぎるという理由だけでなく、変化というものは時計の歯車のように本来相互依存の関係にあり、結果を出すためにはすべての同期が取れていなければならないからです。例えば、新しいハードウェアやソフトウェアを導入しても、ITの運用モデルが変わらない限りユーザーのサービス エクスペリエンスは改善しないでしょう。また、アプリケーションを古いプラットフォーム上で動かしても、会社が価値を見出すことはないでしょう。

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もちろん言うは易し行うは難しで、実際には複数の異なるワークストリーム全体を通じた変化へのニーズとそのインパクトに対する総体的な理解、詳細で反復的なプランニングと複数のチームによる同意、また同期を維持しながら前進させていくための強力なガバナンスが必要です。

 

旧来のメンタリティからの脱却

長い間連携のないサイロ環境の中で、スピード感に欠ける「トップダウン」式のプロジェクト管理を行ってきた企業の場合、既存の領域間で変化を同期して推進するスキルを社内で見つけることは難しい場合があります。既存のリーダーが、現在物事が回っている方法を「知りすぎて」いるために変化を効果的に実行できないということも珍しくありません。このような理由から、あらゆるタイプのITトランスフォーメーションを通じて、プログラム レベルだけでなく作業チーム レベルにおいても、前述した変化の仲介者を特定してエンパワメントすることが最も重要な成功要因の1つであることが実証されています。変化の仲介者は社外から迎え入れることも、社内のチームから選出することもできます。ここで最も重要なことは、企業に必要な変化をフルスケールで推進するための確固とした姿勢、心構え、能力と、経営陣からの支援です。

 

見過ごされ、過小評価されていること

多くのIT部門では、ITトランスフォーメーションの成功における総体的で同期の取れたアプローチと俊敏な変化のリーダーシップの重要性が相変わらず見過ごされ、過小評価されています。このような例は挙げればきりがありませんが、その一例を紹介しましょう。

 

少し前の話ですが、私たちは、豪州のある大手小売企業の大規模なITトランスフォーメーション イニシアチブを始めました。その際、イニシアチブの支持者である役員が、PMO(プログラム マネジメント オフィス)の必要性に疑問を呈してきました。この役員にとって、「必要なものは技術的な知識と経験のみ」というわけです。幸運なことに、私たちは堅牢なPMOがトランスフォーメーションとは切っても切れない関係にあり、求める成果を手にするためには欠かせないということを示すことができました。

 

それから半年が経過して多くのプロジェクト マイルストーンを達成した今、PMOの価値に対するこの役員の考え方は180度変わりました。プログラムを順調に進め、さまざまな期待に応えていくだけでなく、このPMOは社内各チームのコンピテンスを高めました。これによって技術分野の作業チームを社内で手配することが可能になりました。現在、同社はDell EMC主導のPMOを今の状態で長期にわたって維持し、これからも全作業チームにわたり変化を推進、同期、管理統制していきたいと考えています。

 

Dell EMCも絶え間ないトランスフォーメーションを推進

これまでに協業してきたIT部門と同じように、Dell EMC Consultingは、これからもDell EMC自体の終わりのないトランスフォーメーションの旅路を歩んでいきます。ビジネスの優位性を確保するため、新規のテクノロジーを活用する能力を高める手段を企業が求める中で、私たちはプログラム管理、豊富なコンサルティング経験とノウハウ、繰り返し適用できるメソドロジーとツールのすべてを提供する統一ポイントに投資することで、デル テクノロジーズ(Dell、Dell EMC、Pivotal、RSA、Secureworks、Virtustream, VMware)および広範なパートナー エコシステムが提供するさまざまなテクノロジーとサービスのさらなる統合と提供環境の簡素化を進めて参ります。