【全6回シリーズ1/6 新時代のデータ保護】

 

Dell EMC EMCジャパン株式会社 DPS事業本部 事業推進部 

シニア ビジネス ディベロップメント マネージャー

西頼大樹

 

2017年10月に公開された「ブレードランナー 2049」という映画では、全世界の電子データが喪失、または破壊されてしまった世界が描かれていました。そのため主人公は、わずかに残されたデータをもとに仕事をしなくてはいけません。

 

現実の世界ではまだ幸いにもこのような大規模なデータ損失は起きていません。しかし企業や組織単位で見てみると、データがしっかりと保護されていないため、有事の際、適切な過去データを探し出すことができず、ビジネスが遅滞してしまった、あるいは、監査などへの対応が大幅に遅れてしまった、ということは、残念ながらそれほど珍しいことではありません。

 

ある時点で、どのデータが、ビジネスやサービスを提供する上で最適かを把握することは、業務を遂行する上できわめて基本的ですが、最も重要な問題です。災害、大規模なシステム障害、セキュリティ侵害などデータ損失の原因は様々ありますが、万一データ損失が発生したときも、顧客への影響が最小または無い適切なデータを使ってすぐにビジネスを再開できる、ということが、企業や組織にとっての信用に大きく影響します。

 

そのために、現代の企業や組織では、デジタルデータのバックアップ作業が欠かせません。日常業務に利用する資料用のデータからWebコンテンツデータ、そして販売実績などの財務データ、利益の根幹をなす情報資産データ(開発情報、設計図面、等々)、顧客データ、データベースシステムに記録された最新データなど、保存しておかなくてはならないデジタルデータは、種類、量ともに年々増加の一途をたどっています。

 

また、昨今システムの仮想化が常識となってきました。仮想化は、ITのビジネス対応を促進し、モバイル活用などにも欠かせないソリューションとなっていますが、バックアップデータの容量を飛躍的に増加させる一因ともなっています。仮想マシンや、そこから生成されるデジタルデータの増加によってバックアップの時間が大幅に延び、業務にも支障が出ることが増えてきた企業も散見されるようになったため、バックアップ問題の解決が急がれるようになっています。

 

●バックアップ専用ストレージとして高い評価を持つDell EMC Data Domain

 

このような時代におけるバックアップの課題は、時間とコストです。

 

年ごとのデータ増加量の伸び率から、バックアップに必要な時間とそれに必要なストレージやネットワークなどのコストを換算すると、数年先には今のシステムの状況では現実的な対応ができない、という企業がここ数年大幅に増えてきました。

 

このようなことを背景に、Dell EMC Data Domain(DD)は開発されました。DDは、高い重複排除能力を搭載したバックアップ専用ストレージで、既存のバックアップ環境を変更することなく導入できる製品です。

 

重複排除機能とは、事前に対象データの重複部分を判定し、重複しないユニークな部分しか実データとして扱わない圧縮技術です。そのため、バックアップのデータ量を平均10分の1から30分の1程度に低減できます。これにより、バックアップに必要な時間もストレージやネットワークなどのコストも両方節約ができるのです。

 

DDは発売以来、多くのお客様から支持されてきました。その理由は、データ保護のスペシャリストであるDell EMCならではの技術が投入されているからです。例えば、重複排除機能1つとっても「可変長ブロック単位」を採用し、より多くの重複部分を探し出すことを可能にしています。また、独自ソフトウェア(DDBoost)によって、アプリケーション側にて、重複部分を探し出す機能を分散させることで、より迅速に処理できるようにしています。

 

また、DDをお使いのお客様からは、レプリケーションを簡単に設定でき、正確に実行できるという評価をいただいています。自動でデータ転送することはもちろん、複数のDD、複数のクライアントからレプリケーションされたデータをまとめて重複排除することができるので、レプリケーション先で集約保管するバックアップデータの容量をさらに少なくすることが可能です。また、回線の帯域制御機能によって、最適な方法でデータ転送を実施することができるため、他の業務に支障をきたすということも避けられます。

 

●これまでにない機能を追加したDD3300

EMCは2015年、「Dell EMC」として再スタートを切ることになりました。そして2018年3月、DDのラインアップに「Data Domain DD3300」(DD3300)が加わることになりました。

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※DDシリーズのラインアップ(2018年5月現在)

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※DD3300とDD2200との性能比較

 

 

 

DD3300は、現DDラインアップの最小モデルであるDD2200と同じエントリーモデルに位置付けられます。4TB、16TB、32TBの3つの導入オプションが用意され、中堅企業や大企業の拠点で利用しやすい価格に設定されています。

 

DD3300は、前述してきました機能を継承したうえで、よりユーザー本位の機能を追加しています。大きな変化はクラウド対応です。

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※ITにおけるクラウドの動向

 

昨今、多くの企業でバックアップデータ用途にパブリッククラウドサービスを利用するという方法が採られるようになってきました。そこでDD3300でも、レプリケーション先や長期保管データの階層化先などにクラウドを要望されても対応できるようにしたのです。これにより、事前設定に基づき、自動的にクラウドをバックアップ目的で活用することができ、また、高い重複排除機能により、クラウド保管に必要なクラウドストレージコストを抑え、データをリストアする場合も迅速かつ低コストで実行することができます。

 

とりわけバックアップにクラウドを利用するというのは、利用頻度の少なくなった過去のデータを長期保管したいというニーズが多いですが、災害対策(DR)に利用するという目的もあるでしょう。いずれにせよ、クラウドを利用する場合でも、データ量が増加すれば、コストはかさんできます。従って、保存するデータは少なければ少ないほうがいい。DD3300は、ユーザーのクラウドコストを最小限にするという意味でも、大きなメリットを提供できます。

 

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※クラウド対応の概要

 

Dell EMCでは、2017年にクラウド連携型災害対策ソリューションData Domain Cloud DRを発表しました。このソリューションは、オンプレミス上のVMware仮想マシンを、AWSのEC2インスタンスへ自動的に変換し、立ち上げる仕組みを持っています。DD3300は、エントリーモデルながら、Data Domain Cloud DRを実装しているため、クラウドを活用した災害対策が可能となりました。

 

もちろん、DD3300同士でレプリケーションを行うことも可能です。従って、日常のバックアップと遠隔地保管はオンプレミスで実施し、万が一の事態にも対応できるよう、DR対策としてクラウドも効率的に利用するという体制を組めます。

 

●最高レベルの費用対効果を提供しデータ保護の課題を解決

 

DD3300の魅力はこれだけではありません。DD3300はハードウェアとして優れた面を持っています。

DD3300は、Dellで培われた技術を移植した、DDラインアップ初の“Dell EMC”モデルです。Dellは、PowerEdgeに代表されるサーバプラットフォームの開発を長年行っており、DD3300にはそのノウハウがふんだんに投入されています。その技術・ノウハウを活かし、性能を最大限発揮できるよう設計され、2Uの小型堅牢な製品に仕上げました。

また同時にセットアップ作業の簡素化も実施。どの程度簡単なのか、それは以下をご覧いただくことでお分かりいただけると思います;

・Data Domain DD3300 初期設定

 

・Data Domain DD3300 セットアップの仕上げとカスタマイズ

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※ハードウェアとしてのDD3300の魅力

 

製品内部もDellサーバプラットフォームの代名詞とも言える、これまでにない洗練された作りとなっており、従来のDDユーザーのお客様が内部を見られると、その変貌ぶりに驚かれるであろう改良が数多く施されています。まだ、実物に触れていないのであれば、ぜひ手に取ってごらんになることをお勧めします。

 

このように様々な新しい取り組みによって開発されたDD3300は、7.0TB/時(DD Boost 使用時)という従来の1.5倍の性能と、クラウド活用時の最大論理容量が最大4.8PBという拡張性を実現しました。

 

ここまでご説明してきたことを踏まえると、DD3300は、エントリーモデルのストレージアプライアンスとして、歴代のDDラインアップと比べ、一線を画すモデルだということがお分かりになると思います。まさにDD3300は、EMCとDellそれぞれのDNAの良い部分を融合させた製品なのです。

 

データ保護におけるバックアップの重要性は、中規模企業のお客様や大組織の各拠点のご担当者様にとっては新しい課題です。まさか自分の会社やチームでそのような問題が起きるとは予想もしていなかった、ということがほとんどでしょう。限られた予算の中で、いかにしてこの課題を解決していくのか、そうしたミッションに取り組む上で、DD3300は大きな援軍となるはずです。

 

 

 

 

【シリーズ:新時代のデータ保護】

1回:DellEMCDNAを融合させたData Domainシリーズの最新版「Data Domain DD3300」の魅力とは?

2回:最新のデータ保護アーキテクチャを適正なコストで構築するための秘訣

3回:今後、データ保護ルールの新デファクトスタンダードになる可能性もあるEU一般データ保護規則(GDPR)

4回:サイバー対策の最新トレンド「サイバー復旧」とは何か?

5回:近日公開予定

6回:近日公開予定