今回はオープンソースから少し離れましてIsilonSD Edgeをご紹介します。

先に他の情報をお伝えしようと思ったのですが、昨今のSoftware Definedの流れでIsilonSD Edgeに関するご相談が非常に多く、特に昨年はIsilonSD Edgeを採用いただくケースが増えました。また、商用環境でも大規模にご採用頂いた事例も出てきたのと、先日新しいバージョンがリリースされたため、このタイミングでご紹介しようと思います。

SDEdge_Logo.jpg

 

IsilonSD Edge

IsilonSD EdgeはSoftware Defined Storage型のIsilonです。vSphere上で動作しますので様々なハードウェア上でIsilon(OneFS)を動かすことができvSphereのvSANやVMFSデータストア上に展開ができるのが特徴です。なお、昨年末にはPowerEdge VRTXとIsilonSD Edgeのパッケージ化ソリューションも発表いたしました。https://japan.emc.com/about/news/press/japan/2017/20171225-1.htm

 

IsilonSD Edgeは、IsilonのデータレイクのビジョンであるEdge to Core to CloudのEdge部分を担う形となり、ユースケースとしては企業の拠点向けファイルサーバやIoTデータのエッジとして設置しデータセンタにあるCoreに対してデータのレプリケーションやアーカイブを行うことが可能です。もちろん、SD Edgeから直接クラウドストレージへアーカイブも出来ますので小さなフットプリントで大容量のハイブリッドクラウド型のファイルサーバ構築することもできます。また、複数のサービス基盤でIsilonをご利用頂いている場合は、OneFSも複数のバージョンで運用されていることが多くテストや開発用に複数OneFSを準備する必要があります。また、新しいOneFSがリリースされた場合に新機能のテストを行う必要がありますが、これらの問題もIsilonSD EdgeであればIsilonクラスタの作成やアップデートまたは削除を簡単に行えますのでサンドボックスとしてご利用頂くのにも最適です。

OneFS_everywhere.png

                                       OneFS everywhere!(私が勝手に呼んでます…)

 

 

 

IsilonSD Edgeには、有償版と無償版がありますので、先ずは無償版で気軽に試して頂くことも可能です。本番環境やサービス基盤などでご利用される場合はサポートの観点から有償版でのご提供となります。

IsilonSD Edgeには"IsilonSD Edge"と"IsilonSD Edge Flex"の2つ動作モードがあります。リリース当初はIsilonSD Edgeの動作モードだけでしたが、昨年4月のManagement Server 1.0.2およびOneFS 8.1リリースのタイミングで新たな動作モードとしてIsilonSD Edge Flexをサポートしました。IsilonSD EdgeとIsilonSD Edge Flexの違いは下記となります。

・IsilonSD Edge…物理アプライアンスのIsilon同様、Isilonでデータ保護を行う方式。

・IsilonSD Edge Flex…vSANや共有ストレージのVMFSなど、柔軟な構成が可能。データ保護は共有ストレージのRAIDに依存。

 

IsilonSD EdgeとIsilonSD Edge Flexの違い、ならびに無償版との比較は下記となります。

IsilonSD EdgeIsilonSD Edge Flex無償版
OneFSバージョンOneFS 8.1以降OneFS 8.1以降OneFS 8.0以降
システム要件

3 ~ 6 ESXホスト

データドライブ(4 or 6 or 12から選択)

ブートドライブ 1 SSD

ジャーナル用ドライブ 1 SSD

1 ~ 6 ESXホスト

単一データストア、 vSAN対応

1 ~ 6 ESXホスト

単一データストア、 vSAN対応

使用可能なオプション機能全ての機能全ての機能CloudPools、SmartLockを除く全ての機能
VM数3 - 6 VM(1ESXホストあたり1VM)3 - 6 VM3 - 6 VM
最大物理容量36 TB36 TB36 TB
ライセンス費用有償有償無償
サポート

EMCサポート、ESRS対応

EMCサポート、ESRS対応

データ保護に関しては各ストレージに依存

コミュニティサポート

 

 

なお、今回ご紹介するのはIsilonSD Edge Flexとなります。IsilonSD Edgeに関しましては過去の記事を参照ください。

https://news.mynavi.jp/article/emcsds-7/

https://news.mynavi.jp/article/emcsds-8/

 

IsilonSD Edgeで使用可能なオプション機能については、無償版でもCloudPools、SmartLockを除いて全ての機能がお使い頂けます。詳細につきましては下記となります。

機能有償版無償版
NFS、SMB、HTTP、FTP、HDFS、SwiftYesYes
CloudPoolsYesNo
InsightIQYesYes
SyncIQYesYes
SmartLockYesNo
SmartConnect AdvancedYesYes
SmartPoolsYesYes
SmartDedupeYesYes
SmartQuotaYesYes
SnapShotIQYesYes
Two-way NDMP backupNoNo
Three-way NDMP backupYesYes

 

ちなみに、以前からIsilonSD Edgeをご存知のかた向けの情報ですが、IsilonSD Management Server 1.0.3より主に以下の点がアップデートされました。

・IsilonSD Edge Flexで6ノード構成をサポート

・IsilonSD Management ServerのGUIが独立

・4TBの仮想ディスクのサポート


IsilonSD Management Server 1.0.3からはIsilonSD Edge Flexで6ノードまで構成可能です。また、IsilonSD Management Server 1.0.2まではvCenter Serverのプラグインとして完全に統合されておりクラスタの作成や管理はvSphere Web Client経由でのみ実行できましたが、1.0.3からはGUIが独立し管理性が向上しました。(従来どおりvCenter ServerのプラグインとしてvSphere Web Clientから管理することもできます。)


今回はIsilonSD Edge Flexでインストールをしていきますが、最低1台のESXサーバとvCenter Serverをご用意ください。vSphereはEssentials Kitでも構いませんが、ハージョンは6.0以降をご利用ください。

1台で構築する際に必要なリソースとしては、IsilonSD Management ServerおよびOneFSのノード台数分の仮想マシンを処理するリソースが必要ですのでIsilon 3ノード構成であれば最低8vCPU、24GBメモリ以上必要な計算となります。(計算にあたっては下記の必要リソースをもとに算出ください。)なお、ドライブは必要な容量に応じてご用意ください。

 

IsilonSD Management Serverに必要なリソース

コンポーネント要件
vCPU2 vCPU
RAM4 GB
ドライブ容量50 GB

 

OneFSの仮想マシンに必要なりソース(1ノードあたり)

コンポーネント要件
vCPU仮想マシンあたり最小 2 vCPU、最大 16 vCPU
RAM仮想マシンあたり最小 6 GB、最大 256 GB
ドライブタイプSATA、SAS、SSD

 

その他、事前に必要な準備としてはIsilonのフロントエンドネットワークとバックエンドネットワークとして、それぞれのvSwitchを予め構成しておいてください。

 

 

IsilonSD Edgeのセットアップ

セットアップにあたりIsilonSD Edgeの作成や管理を行うためのIsilonSD Management ServerとIsilonSD Edge用のOneFSのイメージファイルが必要になりますので右のリンクからダウンロードします。IsilonSD Edge Download

ダウンロードしたEMC_IsilonSD_Edge.zipを展開します。zipファイルの中には9個ファイルがありますが、この中で今回使用するのは、IsilonSD Management ServerのOVA(EMC_IsilonSD_Edge_ms_1.0.3.ova)とIsilonSD Edge用のOneFSのOVA(EMC_IsilonSD_EDGE_OneFS_VM_8.1.0.2.ova)の2つとなります。その他のドキュメント類やInsightIQのOVAは必要に応じてご利用ください。

 

 

IsilonSD Management Serverのインストール

1. vCenter Web ClientからIsilonSD Management ServerのOVAをインポートします。

インポート後、IsilonSD Management Serverの仮想マシンの電源を入れます。起動するとウィザードが起動しますので、rootユーザ、administratorユーザのパスワードおよびネットワーク設定を入力していきます。

boot_ms.JPG.jpg

 

2. https://<IsilonSD Management ServerのIPアドレス>:9443/にアクセスします。

ユーザ名はadmin、パスワードはsunshineでログインします。ログイン後にパスワードを変更する旨、表示されますのでパスワードを変更します。

ms_login.png

3. vCenter Serverを登録します。

「vCenters」のタブを選択してManaged Virtual Infrastructure画面のところにある「+(プラス)」をクリックすると以下の画面が表示されますので登録するvCenter ServerのFQDNおよびvCenter Serverのユーザ名、パスワードを入力します。Custom NameはIsilonSD Management Server上での表示名ですので任意の名前で結構です。

reg_vc.png

 

以下の状態になればvCenter Serverの登録は完了です。もし、Pluginの表示がUnregister Pluginと表示されていない場合はクリックしてvCenter Serverの管理ユーザ名およびパスワードを入力してください。

reg_vc_after.png

4. 続いて「Licenses」のタブを見ていきます。

予め無償のライセンスが登録されていますので、無償版としてお使い頂く際には特にライセンスの登録は必要ありません。

licenses.png

5. 次に、使用するOneFSのイメージを登録していきます。ダウンロードした際に含まれているEMC_IsilonSD_EDGE_OneFS_VM_8.1.0.2.ovaをドラックアンドドロップしてUploadをクリックします。

reg_image.png

 

OneFSのイメージは複数登録することもできますので、必要に応じて他のイメージの登録を行います。今回、ダウンロードしたイメージとは別のバージョンを使いたい場合は、DellEMCのサポートサイトからIsilonSD Edge用のイメージをダウンロードしてください。

また、使用するOneFSイメージは、Isilonクラスタの作成時に選択できますが良く使うバージョンのイメージを予めデフォルトとして登録しておくことができます。

manage_image.png

これで、IsilonSD Management Serverの設定は終了です。

 

 

Isilonクラスタの作成

いよいよIsilonクラスタを作成していきます。Isilonクラスタの作成にあたりクラスタ名や、各ノードに必要なフロントおよびバックエンドネットワークのIPアドレス、SmartConnectのZone名やIPアドレスなど、物理アプライアンスでセットアップする際に入力する内容と同じものがクラスタ作成時に聞かれますので事前に準備しておきます。

 

1. IsilonSD Management Serverの「IsilonSD Clusters」タブから「+」をクリックします。

cluster_mgmt.png

 

 

2. ライセンスを選択して必要な情報を入力していきます。

create_before.png

Number of ESXi Hostsでは、何台のESXiホストを使用するかを選択します。ESXiホストの台数によって選択可能なIsilonのノード数が異なりますので下記を参考にしてください。簡単にお伝えするとIsilonSD Edge Flexで複数台のESXiを使用する際には同数のIsilonノード(仮想マシン)を配置する構成のみサポートとなります。

ESXiホストの台数選択可能なIsilonのノード数

Single Host(1台)

最小 3、最大 6

Multiple Hosts(最小2台、最大6台)

ESXiホストが2台の場合、4 or 6

ESXiホストが3台の場合、3 or 6

ESXiホストが4台の場合、4

ESXiホストが5台の場合、5

ESXiホストが6台の場合、6

 

上記、ESXiの台数の選択によって、Number of OneFS Virtual Nodesで選択できるノード数が変化しますので選択します。

Number of DatastoresではIsilonのノードをどのように配置するかを決めます。

・One per ESXi Host…全ノードを1つのデータストアに配置します。

・One per OneFS Virtual Node…ノード毎にデータストアをわけて配置します。

・One per Virtual Data Disk…ノードの1ドライブに対して1つのデータストアを割り当てます。

 

私のほうではPowerEdge R740xdという、そこそこスペックの良いマシンを用意できたので、1台のESXiホストに6台のIsilonノードを1つのVMFSに配置するように入力しました。また、クラスタの容量は1.5TBとし、各Isilonノードのメモリは16GBにしました。

create_cluster.png

全ての項目を入力後Nextをクリックして次に進みますが、IsilonSD EdgeFlexで設定した際はReminderが表示されますので内容を確認してCloseをクリックします。

 

3. 使用するESXiホストを選択します。

Number of ESXi Hostsで指定した台数分のESXiホストを選択してNextをクリックします。

create_step1.png

 

4. クラスタで使用するExternal Network Port Group(フロントエンドネットワーク)と、Internal Network Port Group(バックエンドネットワーク)のvSwitchを選択します。

create_step2.png

 

5. クラスタの名前、rootおよびadminのパスワード等を入力します。

create_step3.png

 

6. フロントエンドネットワークおよびバックエンドネットワーク、SmartConnectの情報を入力します。

create_step4.png

 

 

7. 最後に確認画面が表示されますので、入力した項目に間違いが無いかを確認しCreateをクリックします。

その後、この画面のままCreateボタンがProsessingに変わりバックエンドIsilonクラスタが作成されます。マシンのスペックにもよりますが10分程度で完了します。

create_after.png

 

Success: Create IsilonSD Clusterと表示されたら完成です。

 

8. 作成が終了したら「IsilonSD Clusters」タブがある画面の左側のペインにクラスタ名が表示されますのでクリックするとクラスタのサマリを確認することができます。

manage_summary.png

 

9. 「OneFS Virtual Nodes」では、ノードやドライブのSmartfailを行うことができます。

manage_onefsvm.png

 

10. vSphere Web Clientから確認すると下記のように仮想マシンがノード分存在し起動しているのがわかります。

vCenter_Dashboard.png

 

 

Isilonクラスタへのログイン

IsilonSD Edgeで作成したIsilonクラスタは物理アプライアンス同様、OneFS web administration interface(Web UI)から各種設定や管理が行えます。

 

https://<OneFSのexternal IPアドレス>:8080にアクセスします。

Isilon_login.png

いつもの見慣れた画面とは少し違い、動作モードがIsilonSD Edge Flexとなりますので上記画面のとおり黄枠で注意表示がされます。

 

Isilon_Dashboard.png


ライセンスについては、既に有効になっている状態ですので直ぐに各種機能をお使い頂くことができます。

license.png

 

 



参考情報

 

IsilonSD Edge Data Sheet http://www.emc.com/collateral/data-sheet/h14759-ds-isilonsd-edge.pdf

IsilonSD Edge download https://japan.emc.com/products-solutions/trial-software-download/isilonsd-edge.htm

SDSで支店・支社にエンタープライズNASを導入 - 前編 https://news.mynavi.jp/article/emcsds-7/

SDSで支店・支社にエンタープライズNASを導入 - 後編 https://news.mynavi.jp/article/emcsds-8/

 

 

バックナンバー

IsilonianTech 第1回 Isilonとオープンソース ~REX-Ray編~

IsilonianTech 第2回 Isilonとオープンソース ~OpenStack Manila編~

IsilonianTech 第3回 Isilonとオープンソース ~Isilon Data Insights Connector~

IsilonianTech 第4回 Software Defined Storage ~IsilonSD Edge~

IsilonianTech 第5回 Isilonとオープンソース ~Isilon-POSH~

IsilonianTech 第6回 Isilonとオープンソース ~Elastic Stack編~

IsilonianTech 第7回 Isilonとデータアナリティクス ~Cloudera編~

IsilonianTech 第8回 Elastic Cloud Storage (ECS) ~ECS Community Edition~

IsilonianTech 第9回 ISILON + ECS = UNLIMITED ~Isilon CloudPools~

 

 

安井 謙治

EMCジャパン株式会社

アイシロン事業本部 SE部