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こんにちは、仮想化技術およびクラウドソリューション担当の平原です。前回はEnterprise Hybrid Cloudの導入が2か月で完了するという話でブログを締めくくりましたが、今回はその秘密を説明しましょう。

 

まず、この図をご覧ください。何の図か分かりますか?これはEnterprise Hybrid Cloudが利用するハードウェア、ソフトウェア製品がどのように関係しているかを表した図です。いわゆるインテグレーション作業を検討する上でのポンチ絵です。これだけでも複雑そうなソリューションだというのが何となく分かっていただけるかと思います。

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では、全てのハードウェアの設置、ソフトウェアのインストールも完了して、とりあえず製品間でやり取りが可能というレベルまで設定を終えたとしましょう。その時点で、サービスポータルとなるvRealize Automationにアクセスするとどうでしょうか?ご覧のとおり画面は真っ白な状態です。

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少々意外だったでしょうか?これはDELL EMCおよびVMware製品に限らず、他社製品にも共通なのですが、この時点ではあくまでも自動化のための基盤を導入しただけなので、実際のクラウドとして機能させるには、各々のお客様ごとに利用者が求めるサービスカタログの設計・作成やサービスカタログ実行のためのワークフロー(自動化の一連の手順を記述したもの)など「仕組み」の開発が必要なのです。これはvRealize Orchestratorのワークフローの一例ですが、このような(しかも膨大な数の)ワークフローを一から作るとなるととても気が遠い話ですね。でも、実際のクラウド実現の道程では、インフラの構築以上にこの仕組み造りの部分が一番大変なのです。

vro_workflow.png

 

そこでDELL EMCは、過去のカスタムプライベートクラウド構築の経験から、一般の利用者にとって最も良く使われるパターンを研究し、事前に共通利用可能なサービスカタログ テンプレートやワークフローを開発、モジュール化するという方法を取ったのです。これによって、お客様の要件に基づいて必要なモジュールを選択し、組み合わせることで個々のお客様に合ったプライベートクラウド環境を必要最小限の工数で提供することが可能になったのです。このモジュールは基本的な仮想マシン作成に加え、データバックアップ、災害対策、継続可用性、暗号化、Oracle導入自動化といったものが用意され、また他社製品との組み合わせではPuppetと連携した構成管理自動化モジュールの提供も可能となっています。

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もちろん、お客様先で短期間で確実に動くソリューション実現には、モジュールの蓄積だけでなく、

 

  1. ハードウェアを含め、考え得るモジュールの組み合わせパターンに対する動作検証
  2. お客様環境における導入手順標準化(スクリプト活用も含む)とドキュメント化
  3. 不具合修正に伴うパッチ動作の検証
  4. ハードウェアを含む、ファームウェア、ソフトウェアバージョンアップの組み合わせ動作検証
  5. お客様からのフィードバックに基づくユースケースの追加(モジュールの拡張)

 

の継続的な実施に、膨大なエンジニアリングリソースへの投入と投資を行っています。この手法に基づいて提供するソリューションを、我々は「エンジニアード ソリューション」と呼び、DELL EMCのコンバージドインフラストラクチャ製品における考え方をITサービスソリューションを含むレベルにまで適用することで、導入時だけでなくバージョンアップなどのライフサイクルを通して、複雑なソリューションも「一つのもの」として安心して使い続けられるようになっているのです。

 

そして、もう一つの安心はサポート体制です。Enterprise Hybrid CloudはDELL EMCが全ての問題に対する単一の窓口となるので、ハードウェア製品のみならず、他社製品も含めた切り分け、その後のベンダー間のやり取りも含め、責任をもって対応を行います。

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いかがでしょうか?弊社のエンジニアード ソリューションというものが、いわゆるシステムインテグレーションとも異なる合理的な考えに基づいていることがご理解いただけたでしょうか?私はEnterprise Hybrid Cloudの説明時に良く「(SAPのような)業務パッケージのIaaS版」という言い方をします。日本のお客様は、とかく新しいことの導入に際して、自分たちのこれまでのやり方に合わせようとします。これは一般的な業務パッケージでも、Enterprise Hybrid Cloudでも、フルカスタム対応は可能ではあるのですが、結局のところ高くつくソリューションとなってしまいますし、それでも100%合わせることは至難の業です。そこで我々は、我々自身が培ってきたベストプラクティスに合わせてみることの検討もお話させていただいています。過去のしがらみにとらわれず、新しいやり方を検討することでこれまでの非効率性への気づきがあるかもしれません。Enterprise Hybrid Cloudは単なるテクノロジーの刷新ではなく、IT実務に携わる皆さんやビジネス部門利用者にITの使い方の変革をもたらすDELL EMCのノウハウの集積なのです。

 

次回以降は、Enterprise Hybrid Cloudの中核となるvRealize Automationを中心に、これまでいただいた技術的な質問などに答えていきたいと思います。


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