はじめまして。EMCジャパン株式会社に新卒入社したSE2年目の野崎です。
私は入社して1年間、たくさんのEMC製品を学んできました。お客様、パートナー様とEMC製品についてお話しする機会も頂きました。
そんな中で、「EMCって製品がありすぎてイマイチよくわからない…」「EMCの製品ってなんか複雑だよね」といった声を多く耳にします。
本ブログをご覧の皆様もそう思われているかもしれません。
正直、私も同じ思いです。しかし、学んでくるにつれてEMCの製品が「複雑」なのには理由があるということがわかってきました。
このブログでは、皆様にEMC製品が良いものだと納得して頂けるよう、
「なぜ、EMC製品はこうなったのか」という視点で製品をご紹介していこうと思います。
今回は、XtremIOです。
XtremIOは「オールフラッシュアレイ(AFA)」というキーワードとともに知りました。
皆様も、オールフラッシュアレイというキーワードをよく耳にされることだと思います。
今 までは、価格が高いというのが懸念されてきたフラッシュですが、フラッシュ自体の価格も下がってきたこともあり注目が高まっています。
wikibonからは、今後フラッシュが主流 になっていくだろうという予測が発表されています。
今後、オールフラッシュアレイへの注目はますます高まっていきそうですね。
図1:フラッシュ市場の拡大
オールフラッシュアレイとは?
さて、そんなオールフラッシュアレイですが、ここで概要を確認しておきたいと思います。
- オールフラッシュアレイは全ディスクがフラッシュで構成されたもののこと
- HDDやHDDとフラッシュ混在のハイブリッドストレージに対し圧倒的な性能を出せる
- フラッシュには駆動部がないためファンの使用量も抑えることができ省エネ、省コストが可能
性能が向上し、コストも抑えられる…それだけ聞くと、オールフラッシュアレイは良い事ばかりのように思えます。
本当にそうなのでしょうか。
オールフラッシュアレイの落とし穴
オールフラッシュアレイには3つの気をつけなければいけない点があります。
1.性能要件をどのように考えるか
将来的なピーク時の性能や容量を考慮して高いストレージを買わなければいけないのでしょうか…
それでは初期投資、購入リスクが高くなる可能性があります。
2.安定的に高い性能を出すことができるのか
オールフラッシュアレイの特長の一つは高い性能がでるということですが、
予期せぬところで遅くなったり、長期的に使っていく内に遅くなっていくのでは、高い性能の価値は半減します。
3.フラッシュには寿命がある
フラッシュは書き込み上限に達すると使えなくなってしまいます。
XtremIOはオールフラッシュに特化したアーキテクチャ
オールフラッシュアレイの落とし穴をご紹介しましたが、EMCのオールフラッシュアレイ、XtremIOなら心配ありません。
1.XtremIO ~性能と容量をリニアに拡張させてくことができるスケールアウト型~
性能も容量も必要になったタイミングで拡張していくことが可能なので、初期投資を抑え、購入リスクを小さくすることができます。
非スケールア ウトのストレージでは、コントローラーがボトルネックとなり性能が制限されます。
図2:XtremIOはスケールアウト型
スケールアップのストレージでは、ディスクを追加して性能を向上させるしかありません。そのため、必要容量以上に
大きなストレージシステム を持っている場合も少なくありません。
スケールアウトが可能なXtremIOなら、ストレージシステムを縮小し、ファシリティコストを抑えることができます。
あるお客様では50%のTCO削減に成功されたそうです。
図3:TCO削減に成功した事例紹介
2.XtremIO ~「常に速い」を維持できるアーキテクチャ~
オールフラッシュアレイが遅くなる可能性があるのは、以下の時が考えられます。
- ガベージコレクションが起きる時
- スナップショット(コピー)を作成する時
*ガベージコレクション:上書きされた元データや削除データを一定期間ごとに削除する動きのこと
- XtremIOでは、ガベージコレクションをディスク側で処理します。
ストレージのCPUを使わないので、性能に影響がでません。
図4:容量消費量に関わらず安定した性能を維持できるXtremIO
図5:XtremIOはフラッシュでガベージコレクションを実行
b.XtremIOではスナップショットの作成時も性能に影響はありません。
XVC(XtremIO Virtual Copy)という特別な仕組みで、
メタデータの参照回数のみを増やしていくのでデータのコピー作業が発生しません。
図6:性能に影響が出ないXVC
XVCのメリットは性能影響が出ないだけではありません。コピーデータに変革をもたらします!
IDCレポートによると、データセンターに貯められているデータの約60%がコピーデータだと言われており、
増え続けるコピーデータに対して性能、容量、コストのバランスをどうするかというのは重要な課題です。
(出典:The Copy Data Problem: Analysis Update, IDC #254354, February 2015)
図7:データセンターのデータベースの場合の例
XVCならメタデータの参照回数を増やしていくだけなので、本番ボリュームと100%同じものを
メタデータの増幅・スペースの消費・ブロックの移動をすることなく、必要な時に、いくつでもつくることができます。
従来のスナップショットのようなツリー構造ではないので、管理も複雑化しません。
図8:XVCのメタデータ参照の仕組み
開発環境をすぐに必要な分だけ用意することができるので、開発・テスト作業の効率向上が可能です。
新たなビジネスバリューの創出につながる可能性も十分にあります。
3.XtremIO ~「寿命を長く保つ仕組み」~
フラッシュに書き込む前に重複排除と圧縮を行うことで、フラッシュへの書き込みを最小限に抑えることができるのです。
図9:インライン重複排除と圧縮で書き込みを減らす
フラッシュに書き込んだ後に重複排除を行うストレージもありますが、これではストレージの使用量を抑えられたとしても、
フラッシュは摩耗します。
このようにXtremIOは、オールフラッシュアレイの落とし穴をすべて埋めていることがわかりました。
XtremIOがもたらすベネフィット
XtremIOは従来のストレージ運用・管理の概念を覆します。
XtremIOの管理の利便性を理解するためには、おそらく従来のストレージ管理の方法を一旦忘れなくてはいけません。
それくらい、全く新しいものなのです。
XtremIOではストレージ管理者が設計やチューニングに多くの時間を費やすことはなくなります。
圧倒的な性能によってストレージがボトルネックとなるような状態もかなり改善されるはずです。
ディスクの全てがフラッシュなのでレイドグループや階層化を設計する必要がありません。
必要な時に利用者が、ボリュームをマウントすることも可能になります。
図10:ボリューム割り当てに必要なステップの比較
どれだけ増設しても全体で1つのPoolなのでRAIDもキャッシュヒット率もホットスポットも考慮する必要がありません。
図11:XtremIOは1つのPoolで構成
XtremIOは、オールフラッシュアレイの持つメリットを十分に発揮し、
お客様、パートナー様のビジネスに貢献できるような工夫を凝らしていることがわかりました。
ストレージをご検討の際には、XtremIOをまずご検討いただければと思います。
【他製品ブログ】
第2弾
Tech女子ブログ ~ユニファイドストレージ Unity編~
第3弾
Tech女子ブログ ~ハイパーコンバージドインフラストラクチャ VxRail編~
第4弾
Comments