VNXeESXiWindowsサーバなどのホストと接続する場合、SP(ストレージプロセッサ)のクラスタ構成やネットワークポートのFSN(フェイルセーフ・ネットワーク)を前提にLANを構成する必要があります。 

ここではNFS/CIFSのファイルプロトコルを前提に話をします。 

「ホワイトペーパー:EMC VNXe高可用性機能」ではベストプラクティスとして下図の構成があります。*1

“スタックされたスイッチ”とはVNXeから見て論理的に一つのスイッチとしてLACPを構成できるスイッチを指しています。(Cisco CatalystVSS: Virtual Switching Systemなど)

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この構成はVNXeの利用環境ではリッチであり、事例としてもそれほど多くはないと思います。

ではVNXeクラスタ構成で、スイッチ1台の最小限のネットワークを組んでみます。

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FSNに対応するためSPA/SPB間の同じLANポート(ここではeth2)をスイッチに接続します。(1a)

SPAeth2にひも付されたNFS共有へのアクセスパスを考えます。(1b)

SPAに障害が発生した時にはSPBにフェイルオーバします。(1c)

SPAとスイッチ間のケーブルに障害が発生した時には、FSNによりSPBLANポート経由でアクセスします。(1d)

これでストレージの冗長化に対応したネットワーク構成となりました。*2

 

この構成はスイッチ障害に対応できないので、スイッチを2台にしてスイッチ障害も回避できるネットワークを考えます。

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2台のスイッチ間もパスが必要なのでLANケーブルで接続し、さらにホスト側もNICチーミング等でパスを冗長化を行ない、前述と同様にNFS共有へのパスを考えます。(2a)

SPA障害時はスイッチ1 -> スイッチ2 -> SPBの経路となります。(2b)

FSNではスイッチ2、SPBを経由してSPAのNFS共有にアクセスします。(2c)

スイッチ1の障害時はホストのNICチーミングでスイッチ2経由となります。(2d)

これで一般的なスイッチによる、冗長化されたネットワーク構成ができました。

 

さらにベストプラクティスでは複数台ホストで、LACPによりVNXeの利用帯域を上げています。

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2aの構成から、SPとスイッチ間でLACPを追加します。 当然LACP対応のスイッチが必要です。(3a)

eth2のケーブル障害等はLACPにより迂回し、FSNは起動しません。(3b)

FSNはeth2,eth3の両方のリンクが切れると起動します。

さらに2台の"スタックされたスイッチ"に跨がってLACPを使うと、前述のベストプラクティスの高可用性構成となります。(3c)

 

以上、大きく4つのパターンを見てきました。

ではネットワーク構成を検討する時にどのパターンを選択すればよいでしょうか?

高可用性の要件があり、高機能スイッチが用意できるなら、ベストプラクティス構成が最初の選択肢となります。

但し、ベストプラクティス構成が全てではありません。 コストとのバランスは常に重要です。

既存のLAN機器に相乗りする場合や予算に限りがある場合など、要件に合わせて構成を選択するべきです。

 

“ベストプラクティスはBESTでありMUSTではありません。””

 

*1 「ホワイトペーパー:EMC VNXe高可用性機能」

http://powerlink.emc.com/km/live1/ja_JP/Offering_Technical/White_Paper/h8276-EMC-VNXe-high-availability-wp.pdf

*2 VNXのFSNとは異なります。VNXは同一DMの複数ポートでFSNを構成します。